新しい命を授かり喜びでいっぱいの妊娠初期ですが、急激な体の変化や出産へ向けての不安で苦しむ方も多いことでしょう。
「妊娠中はやらないほうがいいの?」「お腹の赤ちゃんに影響あるかな?」と日々の生活の中で疑問もたくさん出てくるかもしれません。
悩みや不安はストレスの原因になり、お腹の赤ちゃんにも決して良い影響はありません。
この記事では日常生活の中で特に妊娠初期に気をつけたいことや注意すべき行動をシーン別にまとめました。
悩みや不安はスッキリ解消して楽しい妊娠生活を送ってくださいね。
日常生活
夏場の薄着やアイスなど、少し冷えた程度であれば赤ちゃんや妊娠経過に直接影響はないでしょう。
しかし寒くなるほど体を冷やすのはおすすめできません。
体の冷えは、お腹の張りや胃痛・下痢の症状を引き起こすこともあるので、冷房が強く冷えがきになる場合はカーディガンを羽織ったり、靴下をはくようにしましょう。
妊娠初期のつわりがひどい方は水さえ受け付けなくなる場合もあります。
体内の2.5%の水分が失われると脱水症になる恐れがあり、ママや胎児の命も危険にさらされてしまうことも。
水も飲めないほどつわりがひどい場合は病院で受診するようにしましょう。
また、妊娠中は頻尿になる方も多いですが、これは子宮の拡大によって膀胱が圧迫されることが原因です。
水分を控えたからといって頻尿がおさまるわけではないので、トイレを気にして水分を控えるのはやめましょう。
体の冷え対策として、お風呂はシャワーだけで済ませるのではなく、湯船につかるのは効果的です。
しかし、のぼせるほど長湯することで、つわりの症状がひどくなったり、めまいや吐き気などの症状が出ることも。
お風呂でのリラックスはほどほどにしましょう。
また、入浴前に水分補給をするなど脱水症対策も忘れずに!
主にネコに寄生するトキソプラズマという原虫に妊娠中に初感染すると、赤ちゃんにトラブルが出る可能性があります。
妊娠前から飼っていて、ママの体に抗体ができて入れば心配入りませんが、抗体の有無がわからない場合や心配な場合は、口移しで餌を与えたり、素手で糞の処理をしないようにしましょう。
犬も妊娠前から飼っていたのであれば特に問題はありませんが、ペットの毛やフケが原因でアレルギーが起こる場合もあるので、室内の衛生管理に注意するようにしましょう。
土中には、トキソプラズマの感染源となる野良ネコの糞などが混ざっている可能性があります。
しかし、トキソプラズマは口から入ることで感染するので、手袋をして作業すれば問題はありません。
直接土を触った場合は、石鹸でしっかり手洗いをするようにしてくださいね。
インコ・オウム・ハトなどの糞に含まれる菌を吸い込んだり、口移しで餌を与えたりすることで感染の可能性があるのがオウム病です。
オウム病に感染すると、感染後1〜2週間で急な高熱やせきなどの症状がでます。妊婦さんの重症例も報告されているので、鳥との濃厚な接触は避けるようにしましょう。
上の子供がまだ小さいと、ママが妊娠中でも抱っこされたいですよね。
抱っこすることが直接流産につながる事はありませんが、おなかが張りやすくなる場合も。
体調が悪い場合やおなかの張りが気になるときは、他の方法でスキンシップをとるようにしましょう。
授乳は子宮を収縮させるホルモンが分泌されるといわれています。しかし、妊娠初期の子宮はその作用を受けにくい状態です。上の子がまだ授乳中の場合は、妊娠6ヶ月をめどに卒乳できるようにしましょう。また、ママの体調や妊娠の経過によって状況は変わります。必ず医師に相談するようにしましょう。
妊娠中の動作
少し息切れする程度の小走りであれば、直接赤ちゃんに影響する事はないでしょう。
しかし、急な動きは思わぬ転倒を招くこともあるため、妊娠中はゆっくりと行動するように心がけましょう。
お風呂掃除など少ししゃがむ程度であれば問題ありませんが、長時間にわたって腰に負担をかけるような動作は腰痛の原因になるので、なるべく短くすませるようにしましょう。
また、しゃがんだり立ったりする動作は、スクワットのようなトレーニングになる程続けるのは避けて!
短い間でも体に負担を感じたらやめるようにしましょう。
正座や横座りをすることで直接赤ちゃんに影響がある事はありません。
しかし、お腹が大きくなってくると正座は自然とつらい体勢になりますし、横座りはいつも同じ方向に体重をかけることでゆがみの原因になることも。
一方あぐらは、股関節を柔らかくする開脚のとレニーングにもなるので、妊娠中はおすすめの姿勢です。
いずれにせよ、自分がラクだと感じ、おなかに負担のかからない姿勢をとると良いですね。
自分の無理のない範囲で行うようにし、つわりや体調が良くない時はパパや同僚など、周囲にサポートをお願いしてみましょう。
おなかに強く力を入れ、腹圧をかけることで子宮が収縮するといわれています。
妊娠中の子宮収縮は流産や切迫早産のリスクがあるため注意が必要です。
また、重いものを持つと腰に負担がかかり腰痛が起こりやすくなります。
スーパーでの買い物など、普段の生活の中で、おなかに力を入れないと持てないようなものは、なるべく持たないようにしましょう。
また、妊娠初期は子宮が急速に大きくなる時期なので、腕を上に伸ばすことで子宮を支える靭帯が引っ張られ、おなかが張ったような感じがすることもあります。
うつ伏せの体制が楽と感じる方もいると思います。うつ伏せになったからといって、おなかの中の赤ちゃんが潰れてしまったり、悪影響を及ぼす事はありません。
しかし、「お腹が張っている」「お腹が圧迫されて苦しい」と感じる時はやめるようにしましょう。
おなかが大きくなるにつれ、自然とうつ伏せ寝がつらくなってくると思いますが、その場合は仰向けや横向きに寝るのがおすすめです。
抱き枕で体を支えて横向きで寝ると体が安定し、お腹の重みもやわらぐので試してみてはいかがでしょうか?
また、授乳にも役立つマタニティ用の抱き枕もあるので、今のうちにチェックしておくと出産後に役に立ちますよ。
外出・お出かけ
妊娠したからといって外出を控える必要はありません。
しかし、妊娠初期は体調が変化しやすい時期ですので、妊娠経過が順調な場合でも無理のない範囲で出かけるようにしましょう。
▶︎妊婦の旅行はいつからいつまでOK?マタ旅での要注意ポイント3つ![/su_box]
妊娠初期はつわりなどによって急に体調が崩れたり、疲れからお腹の張りを感じることがあるので、できるだけ控えるようにしましょう。ただし、妊婦だからといって海外へ行くのはNGというわけではありません。
つわりの症状が落ち着く12週以降なら妊娠初期よりも安心です。
海外旅行へ行く場合は、コミュニケーションがとれ、万が一の場合にも医療がきちんと受けられる地域がおすすめです。
事前に必ず主治医に相談するようにしましょう。
歩くことは出産へ向けての体力づくりやストレス発散になるので悪いことではありません。「ちょっと歩きすぎて疲れたな」という程度であれば赤ちゃんに影響もないでしょう。
しかし、おなかが張ったり出血がある場合は主治医に相談し安静にしてくださいね。
妊娠前から自転車でお買い物やお出かけをしていた方は、妊娠したからといって自転車に乗らない生活は難しいかもしれません。
自転車を乗ることは絶対にNGというわけではありませんが、妊娠中は集中力が落ちたり反射神経が鈍くなったりしがち。
万が一の場合、とっさの判断ができない可能性もありますよね。
また、安定期に入る頃には赤ちゃんは15㎝ほどの大きさになっていて、徐々にお腹も大きくなってきます。
普段よりバランスが取りにくくなっていて、転倒の危険性もあるため自転車に乗るのは必要最低限にしましょう。
自転車に乗る際は、地面に両足がつくようにサドルを調整し、スピードは控えめにしてくださいね。
妊娠中は反射神経も鈍くなっています。転倒の恐れもあり大変危険ですので運転は絶対にしないようにしましょう。
仕事や買い物などどうしても車の運転をしなければいけない場合があるかもしれません。
スクーターやバイクのように転倒の恐れはありませんが、判断能力が下がっている時期は注意が必要です。
眠気が強いときや体がだるい時、体調がすぐれない時は特に危険ですので、運転は控えるようにしましょう。
また、「お腹を圧迫するのでシートベルトはしない方が良い」と思っている方もいるかもしれませんが、おなかの中の赤ちゃんを守るためにもシートベルトは必ずつけるようにしてくださいね。
正しく着用すればお腹を圧迫することはありません。
車やバス、船の振動や揺れで赤ちゃんに衝撃がかかるようなことはありません。
妊娠初期〜中期は赤ちゃんはまだ小さく、ママの子宮内の羊水に包まれふわふわと浮いた状態なので、少しの振動や揺れが伝わることはありません。
ただし、日頃乗り物酔いしにくい方でも、つわりと重なることで体調が悪くなることもあるので、注意しましょう。
妊娠初期で体調が良好であれば、新幹線や飛行機に乗ることは問題ありません。
ただし、「妊娠中は一般成人の5倍ほど血栓症を起こしやすい状態」と言われています。
これは、災害時などによく耳にする「エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症/肺塞栓症)」と同じです。
食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。その結果、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあります。 厚生労働省
そこで、長時間新幹線や飛行機に乗る場合は
- ゆったりとした服装で、ベルトをきつく締めない
- 十分にこまめに水分補給する
- 時々手足を動かしたり、軽いストレッチをする
を心がけましょう。
妊娠初期はまだまだ不安定な時期ですので、万が一の場合主治医が近くにいないことは不安にもなります。
不必要な遠出は避けるようにするといいですね。
また、出産予定日が近ずくと飛行機の搭乗に医師の診断書が必要になります。
条件は、国内線・国際線・双子以上などで変わってきますので、必ず事前にチェックするようにしましょう。
このような掲示物があるのは、温泉法第18条によって「禁忌症を掲示しなければならない」と定められているからです。
禁忌症とは、心臓病や皮膚病など温泉に入ることで症状が悪化することを指すのですが、1982年に妊娠中(特に初期と末期)が禁忌症と定められました。しかし、科学的根拠がないため、2014年に行われた法改正によって、禁忌症の中から妊娠中(特に初期と末期)という文言は削除されました。
温泉地のガス(硫黄の匂い)が赤ちゃんや妊娠経過に影響することはありませんし、血行促進にもなるので気分転換に温泉を利用するのはおすすめです。温泉での長湯は脱水やふらつきによる転倒の心配があるので注意してくださいね。
また、サウナはママや赤ちゃんの心臓に負担がかかったり、のぼせて気分が悪くなる可能性があるので入らないようにしましょう。
「混雑しているところに絶対にいってはいけない」というわけではありませんが、妊娠初期はおなかの膨らみもないため、周囲から妊娠していることに気付いてもらえません。
万が一を考えて時間をずらすなど混雑を避ける工夫をしましょう。
満員電車などにどうしても乗らなければいけないときは、カバンや手でお腹を守る体勢がいいですね。
また、人がたくさん集まる場所ではインフルエンザやノロウイルスなどの感染の危険性が高くなります。
マスクなどで予防するようにしましょう。
動物園に行くことは問題ありません。しかし、動物には思いもよらない細菌を持っていることも考えられます。
動物や檻、施設など何かに触れた場合はしっかりと手洗いするようにしましょう。
「妊婦がお葬式に列席するのはよくない」というのは、昔からよく言われている迷信です。
近親者の場合やどうしても列席しなければいけない場合は、お葬式に行っても問題はありません。
しかし、地方によっては習わしなどを大切にしている地域もあるため事前に確認するようにするといいですね。
また、列席する際は無理のないようにしましょう。
蚊を媒体として感染する可能性がある、デング熱やジカ熱。デング熱は感染しても重症化する確率が低く、胎児に影響することはほとんどありませんが、ジカ熱に感染すると胎児が水頭症を発症する心配があります。
今のところ日本国内では症例は少ないようですが、蚊が多いところに行く場合は長袖の服を着たり、虫除けスプレーで対策するようにしましょう。
海やプールに入ること自体は特に問題はありません。
しかし、妊娠中は肌が敏感になっているため紫外線による日焼けが心配です。
また、プールは雑菌が繁殖しやすい環境です。
しっかりと管理された施設を利用するようにしましょう。
スポーツ
ウォーキングは手軽にできる有酸素運動ですので、妊娠中の体力維持や体重管理におすすめです。
ただし、体調に気をつけて無理のない範囲でするようにしましょう。
ジョギングは日頃から慣れている経験者で、体調が良ければ大丈夫ですが初心者の方にはおすすめできません。
妊娠初期は体調が安定していない時なので、スイミングは控える方が無難です。
安定期に入り、妊娠経過が順調な場合はマタニティスイミングはOKです。
専門家の指示に従い、無理のない範囲で泳ぐようにしましょう。
マタニティヨガは体力維持や安産対策として妊婦さんに人気です。
しかし、妊娠初期は体調が安定していないので控えるようにしましょう。
ヨガ教室でも妊娠初期の妊婦さんの受付をしていないところがほとんどです。
日頃からスポーツをしている人は体を動かしたくなるかもしれませんが、基本的に妊娠中のスポーツは危険がともないます。
- 体をひねる:ゴルフ
- ジャンプ:バレーボール バスケット
- 走る:バドミントン テニス 卓球
- 冷え・転倒:スキー スノーボード ボーリング ダンス
その他、スキューバーやシュノーケリング、ボルダリングや登山などは不測の事態が起こる可能性が高いスポーツです。
妊娠中は我慢した方が良いでしょう。
食べ物・飲み物
冷たい飲み物はお腹をこわしたりするほどでなければ、妊娠中でも問題はありません。
しかし、飲み過ぎは体の冷えにつながるので控えめにするといいでしょう。
「つわりがひどく冷たいものしか飲めない」という場合は、一度にたくさん飲むのではなく、時間をあけて少量ずつ飲むのがおすすめです。
冷たい食べ物ばかり食べることで、体が冷え血液循環が悪くなり、お腹の張りを感じたりむくみが出たりするので、なるべく控えるようにしましょう。
つわり時期に冷たいものしか口にできない場合は、体が冷えないよう少しずつ食べる工夫をしてみては?
温かいものを食べるとホッとしてリラックスできるのでおすすめです。
妊娠中は赤ちゃんへの影響を考え、あまり食べない方が良い食べ物や飲み物があります。
例えばビタミンAを多く含むレバーやヨウ素を含む昆布。
無機ヒ素が含まれるひじきなどは過剰摂取することで、流産、早産、脳障害、発達障害などのリスクがあることも。
少量ですぐに障害が出るものではありませんが、妊娠中は少しでもリスクのあるものは避け、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
市販の牛乳は妊娠中に飲んでも問題ありませんが、牧場などで売られている非加熱(未殺菌)の生乳はリステリア菌の心配があるので、飲まない方がいいでしょう。
カフェインは長期にわたって過剰摂取することで、赤ちゃんや妊娠経過に影響を及ぼすと考えられていますが、どの程度なのかはっきりとわかっていません。
念のためカフェインの摂取は1日1杯くらいにし、カフェインレスコーヒーなどに切り替える工夫をしてみてはいかがでしょうか?
また、コーヒーだけでなくお茶や栄養ドリンクにもカフェインが含まれている場合があるので注意が必要です。
アルコールは多量に取りすぎると赤ちゃんに影響を及ぼす恐れがあります。
「少しくらいなら大丈夫なの?」と思う方もいるかもしれませんが、どの程度で影響が出るのかははっきりとわかっていません。
リスクを避けるためにも妊娠したら禁酒するようにしましょう。
また、妊娠に気付かずアルコールを摂取してしまった場合は、妊娠に気付いた時点で禁酒すれば大丈夫です。
薬・サプリメント・病院
妊娠初期はつわりの症状もあり、軽い風邪のような症状でも何が原因かわかりません。
この時期は、赤ちゃんの器官が作られる時ですので、妊娠がわかったら市販薬は飲まないようにするのが無難です。
市販の風邪薬の中には妊婦さんが服用できるものもあるようですが、自己判断は避け必ず医師に相談し処方された薬を飲むようにしましょう。
また、頭痛薬によっては妊娠28週以降に服用すると、おなかの赤ちゃんの動脈管に影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
「漢方薬なら体に良い」イメージがあるかもしれませんが、妊娠中に控えた方が良い成分もあるため、念のため医師に相談した方が安心です。
ポピュラーな葛根湯も製薬会社によって成分が違うため、主治医に相談して処方してもらうことをおすすめします。
ヨード系のうがい薬(イソジンやパブロン)に含まれるヨードが、赤ちゃんの甲状腺機能に影響を与える恐れがあるという報告があります。
用法・用途を守れば影響はありませんが、「原液のまま使った」「毎日何度も使った」など使用方法を守らない場合、赤ちゃんに影響が出る恐れが。
ヨードは胎盤を通過し赤ちゃんに届いてしまうので、使用方法に十分気をつけてくださいね。
「病院で薬を処方されたけど、赤ちゃんへの影響を考えると飲みたくない」と思う方もいるかもしれません。
医師が薬を処方するのは、飲まないより飲んだ方がメリットが大きいと判断した場合です。
処方された薬を勝手にやめてしまうことで、妊娠経過に影響が出てしまう可能性もあるので、薬に対して不安がある場合は、主治医に相談し納得してから服用するようにしましょう。
目薬は限られた場所に微量に使うものなので、使用方法を正しく守れば心配はありません。
もし、「妊娠中の使用は禁止」と書かれていれば使わないようにしましょう。
心配な方は、産院でも目薬を処方してもらえるので相談してみてくださいね。
軽い気持ちで湿布を貼ってしまいがちですが、湿布の成分によっては赤ちゃんの動脈管に影響を及ぼすものもあります。
市販の湿布を使う場合は、注意事項を確認し「妊娠中や妊娠の可能性がある場合は禁止」と書かれている場合は絶対に使わないようにしましょう。
妊娠中の腰痛は、姿勢も大きく影響しているので適度なストレッチをしたり、猫背に気をつけるなどの工夫も取り入れるといいですよ。
薬以外にも、妊婦さん用の腰ベルトやサポーターもあるので、腰痛になる前に予防として使ってみてはいかがでしょうか?
ステロイドというと強い薬のイメージがありますが、用法・用量を守って使えば妊娠中に塗っても問題はありません。
ただし、自己判断は危険ですので必ず医師に相談するようにしましょう。
浣腸は腸のぜんどう運動を促してすぎるため、子宮収縮をひきおこす可能性があります。
また、市販の便秘薬には妊娠中に避けたい成分が入っているものもあるため、便秘がひどい場合は自己判断せず、医師に相談して処方してもらうようにしてください。
妊婦さんがインフルエンザにかかると重症化する恐れがあるため、予防接種は積極的に受けましょう。
妊娠初期から摂取できるので、流行期に入る前に病院へ行くことをおすすめします。
妊娠中にママが風疹に感染すると、障害を持った赤ちゃんが生まれる恐れがあります。
風疹の予防接種はウィルスを弱毒化したもので「軽くかかった」状態になるため、妊娠中は予防接種を受けることはできません。妊娠を希望する場合は、妊娠前に風疹の抗体を調べ準備してくださいね。
また、抗体がないのに妊娠した場合は、人混みをさけ手洗いうがいなどで予防するようにしましょう。
妊娠中は肌が敏感になるため、乾燥してかゆみを感じる場合もあります。
市販の保湿クリームは問題ありませんが、肌への刺激が少ないものを選ぶようにしましょう。
また、つわり中はにおいにも敏感な時ですので、香料が少ないものがおすすめです。
症状がひどい場合は、病院で早めに相談しましょう。
妊娠中の貧血が気になる方は、症状が軽ければ鉄分サプリは効果的ですが、サプリメントは補助的なものと考え、日常の食事から栄養を摂取する工夫も。
鉄分サプリを飲むときは、用法・用量を必ず守って服用するようにしましょう。
貧血の症状が重い場合は、医師に相談するようにしてくださいね。
妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までに葉酸を摂取することで、「赤ちゃんが神経管閉鎖障害を発症するリスクが減る」という研究結果があります。
葉酸は緑黄色野菜などに多く含まれているので、食事からの摂取で大丈夫と思いがちですが、水溶性のビタミンなので調理することで多くが失われてしまいます。
厚生労働省でも、妊娠前〜妊娠初期はサプリメントからの葉酸摂取を推奨しています。
葉酸は先天性異常のリスクを抑えるだけでなく、妊娠中に嬉しい効果がほかにもあ流ので出産まで継続して服用するようにしましょう。
食事から摂取する葉酸は、水に溶けやすく体外に排出されるので、摂取しすぎることはありません。
しかし、葉酸サプリから摂取は1日1mg(1000μg)までと厚生労働省が公表しています。
葉酸は胎児の先天性異常のリスクを抑える効果がありますが、過剰摂取することで子供が喘息になるリスクが高くなるという報告もあります。
葉酸サプリは用法・用量を守って服用すれば妊娠後期や出産後まで飲んでも大丈夫です。
ビタミンBやビタミンCは飲んでも問題はありません。
しかし、妊娠初期にビタミンAを過剰摂取することで、胎児に先天性の異常が発症するリスクが増加するという報告があります。
ビタミン剤を服用する場合は、成分をよく確認してから飲むようにしましょう。
妊娠中は赤ちゃんの骨や歯を作るために多くのカルシウムを必要とします。
さらにホルモンの影響で骨量が減少するため、カルシウム不足になってしまう心配も。
そこで、サプリメントでカルシウムを補いたいところですが、カルシウムサプリの過剰摂取は尿路結石をひきおこすリスクがあります。
カルシウムは日常ほ食事から摂取することを心がけ、サプリメントは補助的なものとして飲む程度にしてくださいね。
ビタミンDは赤ちゃんの骨や歯の形成に欠かせない栄養素ですが、ビタミンAと同様に過剰摂取することで、腎機能障害を起こす可能性があるといわれています。
一方、ビタミンDが不足すると、生まれた赤ちゃんがビタミンD欠乏症になるリスクがあるともいわれています。
多くても少なくてもリスクがあるため、不安に思うかもしれませんがビタミンDは鮭やしらすに多く含まれている栄養素です。
毎日の食事をバランスよく食べることを心がければサプリメントにたよる必要はありません。
一般的な健康診断で受ける、胸部X線検査は放射線量が0.1ミリシーベルトと被曝量が低いため問題ありませんが、バリウム検査(胃部X線検査)は150〜300倍の25ミリシーベルトの被曝量があるためリスクがあります。
健康診断を受診する場合は、事前に妊娠中であることを申告するようにしましょう。
歯科では妊婦さんへの対応もできるので歯の治療に通うことは可能です。
治療する場合は、妊娠週数や持病の有無、服用している薬など正しく伝えるようにしてくださいね。
また、局所麻酔やX線撮影も赤ちゃんへの影響は心配ありません。
しかし、妊娠初期のつわり時期は、においなどに敏感になっている時期ですので、体調が良い日に行くようにしましょう。
また、妊娠前と同じ痛み止めが使えないことがあるため、親知らずの抜歯などは産後に行うことがほとんどです。
緊急の場合は、赤ちゃんに影響の少ない薬が処方されます。
うつ病の薬はほとんどがお腹の赤ちゃんに影響するものではないので、妊娠初期に服用していても問題はありません。
自己判断でやめてしまう事で、うつ病の症状が悪化してしまう方が心配です。
妊娠したら、心療内科や精神科、産院両方の医師と相談しながら薬を調整するようにしましょう。
体調管理と夫婦生活
ママの体が重度の栄養不足になると尿検査で「ケント体が出ている」と言われることも。
この場合、食べられるものから少しずつ栄養を摂ることで解消されるのですが、それが難しい場合は点滴で栄養を補給することができます。
主治医と相談しながら対策するようにしましょう。
茶色のおりものや少量の出血の場合は落ち着いて様子をみましょう。
ただし、普段と何かが違うと感じたり、出血の量が増える・出血が続くようであれば、すぐに主治医に相談してくださいね。
妊娠するとホルモンの影響で口腔内の最近が増えやすくなります。
また、つわりの時期は食事時間が不規則になったり、歯磨きがおろそかになり虫歯になりやすい条件がそろう可能性も。
歯周病になると子宮収縮を促し、早産の危険につながることもあるので、普段以上にしっかり歯を磨くことを心がけましょう。
タバコはニコチンの影響で、血管の収縮が起こり、おなかの赤ちゃんの健康や発育に悪影響を及ぼす危険性があります。
さらに、早期破水や低出生体重児のリスクも高まるので、絶対に吸わないようにしましょう。
禁煙のために、肌に貼るタイプの禁煙補助剤がありますが、これにもニコチンが含まれているので妊婦さんが使うことはできません。
また、タバコの先から出る副流煙は有害物質が多く含まれているため、パパが喫煙者の場合は一緒に禁煙するか、家の外で吸ってもらうように協力してもらいましょう。
夫婦生活においてセックスは大切なコミュニケーションですが、安定期に入るまではできるだけ控えた方が望ましいでしょう。
セックスをする場合は、精液中には子宮を収縮させる成分が含まれているのと、感染症予防のために必ずコンドームをつけ、ソフトなセックスを心がけてくださいね。
もし、お腹の張りや出血があった場合はすぐにやめて様子をみましょう。
感情が高ぶったり、興奮することでママの心拍が上がり、その負担は直接赤ちゃんにも届くことになります。
また、おなかの中の赤ちゃんはママやパパの声が認識できると考えられていて、喧嘩をしている声も聞こえているかもしれません。「激しい夫婦喧嘩で逆子になってしまった」という報告もありますので、妊娠中はできるだけ穏やかな気持ちで過ごせるようにしましょう。
仕事
そんな時に利用したいのが「母性健康管理指導事項連絡カード」です。
これは、仕事を持つ妊婦さんが休業や勤務時間短縮を申し出たいときに、医師に記入してもらい事業主に提出するものです。
医師の診断は必要ですが、働く妊婦さんにとっては心強いものになりますので、きちんと制度を知っておきましょう。
夜勤や宿直があるような仕事の場合、体調が悪くなることがなければ問題はありません。
しかし、妊娠中は体調が常に変化するということを念頭に、無理をせずその都度判断するようにしましょう。
座っている仕事でもお腹の張りがある場合は、体を横にして安静にするようにしましょう。
座っていても妊娠中は無理は禁物です。
状況に応じて主治医や上司と相談し、仕事を休むことも考えましょう。
そのような職種の場合は、仕事内容の変更や配置換えなどを会社と相談するようにしましょう。
服装
しかし、日常的に冷えていると血行が悪くなり、お腹が張りやすくなることはあります。
暑い時期はエアコンが効いていることもあるので、状況に応じて対応できるようにするといいですね。
ストッキングや少しきつめのパンツをはいても、赤ちゃんは羊水に包まれているため、直接赤ちゃんに伝わることはありません。
しかし、締め付けられているところは、かぶれたり湿疹ができたりと肌トラブルが起こる可能性があるため、妊娠中は控えておくのがいいでしょう。
骨盤引き締めのパンツも産後に着用するのがオススメです。
妊娠初期は体調の変化によって、立ちくらみやめまいを起こし、転倒する可能性もあります。お腹が大きくなる前から高いハイヒールは避けたほうが安心です。
妊娠したからといってすぐにマタニティ用のものを身につける必要はありません。
ただ、妊娠中は体の大きさや肌の状態も変化するので、専用のもののほうが快適に過ごせるかもしれません。
選ぶときは、体の変化に対応できるものや、肌が敏感になる時期ですので通気性や素材に気を配ると良いでしょう。
骨盤ベルトは大きくなっていくお腹を支えるもので、着ける事で心地よくなる場合は着けましょう。
無理をしてまで着ける必要はありません。
妊婦用の腹帯やガードルも同じです。
浴衣や着物を着たからといって、お腹の赤ちゃんに直接影響することはありませんが、着付けの際は妊娠していることを伝えるようにしましょう。
ただし、下駄は転びやすいので慣れてない人は避けたほうが無難です。
美容・健康
パーマやカラーリングは強めの薬剤を使っていることもあり、特にカラーリング剤はかぶれに注意が必要です。
妊娠中は肌が敏感になっている時期なので、事前にパッチテストをすると安心です。
できるだけ低刺激の薬剤を使ってもらうのもいいですね。
赤ちゃんに直接影響することは考えにくいですが、肌が敏感になりやすいので出産後に行うようにしましょう。
また、妊娠中のレーザー脱毛は断られることが多いようです。
妊娠中のマニキュアが、赤ちゃんに直接影響することはありませんが、健診時や緊急入院、お産の時に医師が爪の色で体の状態を判断することも考えられます。妊娠中は簡単に拭き取れるものにしておくといいですね。
アロマセラピーに使うエッセンシャルオイル(精油)の中には、妊娠中に使えないものもあるので注意が必要です。
妊娠中の使用に詳しい専門店で相談するようにしてくださいね。
また、アロマ系の石けんやシャンプー入浴剤は、妊娠中の体に影響を及ぼすことはありませんので、快適だと感じるものを使ってくださいね。
マッサージや整体を受ける場合、子宮や卵巣などを刺激することもあるため、専門知識があり信頼できるところで施術を受けるようにしましょう。
妊娠初期は体調が急変することもあるので特に注意が必要です。
妊娠中は、できるだけ薬の服用を避けたいことから、はり治療などを選択する方もいるようですが、必ず妊婦さんの体のことをよく知っている専門家のところで行うようにしてくださいね。
日焼け止めが赤ちゃんに影響することはありませんが、妊娠中は肌の状態が敏感になっていることが多いので、試し塗りをするなど様子を見てから使うようにすると安心です。
まとめ
以上、妊娠初期に妊婦さんが悩むこと、気をつけること、注意点83を紹介しました。
ただし、妊娠中のやっていいこと・ダメなことに絶対の正解はありません。
「妊娠中は控えるべき」と言われたことをしたからといって、必ずトラブルになるとは限りません。
「私は大丈夫だったよ」と先輩ママが話すのを聞いたこともあるかもしれません。
妊娠経過は人それぞれで、おなかの赤ちゃんを最終的に守るのはママであるあなた自身です。
後悔しないためにも、妊娠中に悩んだら無理をせず常識の範囲内で過ごすようにするといいですね。