働く女性が妊娠したとき、「職場へはいつどのように報告すればよいのか?」と悩む人も多いと思います。
妊娠はとてもうれしいことですが、生活が大きく変化し人生の選択を迫られることにもなりますよね。
職場への報告は、妊娠中だけでなく出産後、仕事復帰をしたときのことも含めて重要なポイントになります。
妊娠報告のベストなタイミングと、好感をもたれる報告の方法を例文とともに紹介します。
職場への妊娠報告の必要性と注意点
仕事をしている女性は、妊娠中の体調だけでなく産休・育休中の取得や復職後の仕事のことなどを考えると、会社や上司への妊娠報告は避けては通れませんよね。
「マタニティハラスメント(マタハラ)」という言葉を耳にしたことがある人もいると思いますが、妊娠報告をすることで嫌がらせをされたりするのでは?と不安な気持ちになるかもしれません。
ここでは、職場へのスムーズな妊娠報告ができるように、タイミングや伝え方・マナーを紹介します。
- マタニティハラスメント(マタハラ)とは?
- 妊娠・出産をきっかけに職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠・出産を理由とした解雇や雇い止めで不利益を被ったりするなどの不当な扱いを受けること
職場への妊娠報告の必要性
仕事の引継ぎをするため
労働基準法では、産前産後休暇の取得が定められており、産前42日間(多胎の場合は98日間)・産後56日間の休業が認められています。
特に、産後42日間は法律で労働が禁止されており、出産したママは働くことができません。
また、妊娠中なんらかのトラブルによって長期間職場から離れることも考えられます。
あなたが休暇中でも業務が円滑に進むよう、仕事の引き継ぎをする必要がありますね。
ママやお腹の中の赤ちゃんへの負担を少なくするため
妊娠中に長時間の立ち仕事や、力仕事をする事でママの身体だけでなく、お腹の赤ちゃんへ悪影響を及ぼす場合があります。
また、寒い場所・暑い場所での作業や夜勤、長時間の車の運転は体調を崩す原因になるかもしれません。
妊娠中はつわりだけでなく、様々なトラブルが起きる可能性があるため、場合によっては職場へ配置換えなどをお願いしなくてはいけないことも。
ママとお腹の中の赤ちゃんを守るためにも職場への妊娠報告はするようにしてくださいね。
万が一のために
妊娠中も、トラブルなく元気に仕事をすることができるのは理想ですが、万が一のことがおこる可能性もあります。
仕事中に急に体調が悪くなり倒れてしまった場合、職場の人たちが妊娠していることを知らなかったら・・・・。
なぜ倒れたのかわからないのです。
周囲の人に妊娠していることを伝えることで、万が一のときあなたと赤ちゃんを守ることにもなりますよね。
職場への妊娠報告はいつ頃?
職場への妊娠報告は12週〜16週あたりにする人が多いようです。
妊娠初期の頃よりも流産の確率が減り、つわりの症状も落ち着いた「安定期」と呼ばれる頃です。
ただし、体調に大きな変化がなくこれまで通りに仕事がこなせる場合と考えましょう。
早めに妊娠報告をした方がいい場合は?
- つわりの症状がひどい場合
- 飲食店などの立ち仕事
- 残業が多く不規則な仕事
- 土木作業や引越しなどの力仕事
- 冷凍庫内作業やプールコーチなど体が冷える仕事
- トラックドライバーなど長時間車を運転する仕事
- 医療・介護など夜勤がある仕事
体調が不安定な人や身体への負担が大きな仕事の人は、妊娠初期の段階で報告するようにしましょう。
この場合、伝える人はなるべく少なくしましょう。
妊娠報告のマナーと注意点
直属の上司が女性で、出産経験がある場合は比較的スムーズに話が進むと思われますが、残念ながら妊娠に対して理解や知識がある人ばかりではありません。
そこで、好感をもってもらえる妊娠報告の方法や注意点を確認しましょう
①伝える内容
妊娠報告までに仕事を続けるのか?辞めるのかを決めておくのが原則です!
勤務先では、仕事を続けるのかどうかが一番知りたいとこ。
迷ってズルズル先延ばしにするのは失礼にあたりますので夫婦間できちんと話し合いをしましょう。
伝える内容は、現在の週数・出産予定日・仕事を続けるのか辞めるのか。
また、つわりなどの体調面も伝えておくとよいでしょう。
満員電車での通勤や長時間の立ち仕事への配慮など、要望があればしっかり伝えるのがよいです。
ただし、幸せオーラ全開で妊娠報告をすることは避け、社会人として常識ある態度で話すようにしましょう。
そして、産休・育休を取得後に職場復帰を考えている人はこの時点できちんと話し合うようにしましょう。
会社によっては、産休や育休の前例がなかったり、社内の制度が整っていないこともあります。
そのため、上司から思いもよらぬ事を言われる場合もあるかもしれませんが、冷静さを失うと後に引けなくなってしまいます。
法律上、妊娠や出産を理由に退職させることはできませんので、まずは冷静に自分自身の考えを伝えるようにしましょう。
②報告の順序と手段
妊娠の報告はいちばんに直属の上司にするようにしましょう。
先に親しい同僚などに話してしまい、噂として上司の耳に入ると印象がよくありません。
また、妊娠報告は一対一で直接伝えるのがいいですね。
とはいえ、上司も仕事が忙しいかもしれません。
メールなどで「報告したいことがあります」と事前に時間を作ってもらい予約するようにしましょう。
③【必読】妊娠報告するときの4つの注意点
職場への妊娠報告の際に注意した事をいくつか紹介します。
1.幸せオーラを出しすぎない
職場には様々な人が働いています。
妊活中の女性もいるかもしれませんし、全ての人が妊娠・出産に好意的とはかぎりませんよね。
なるべく普段と同じように冷静に報告するようにしましょう!
2.出産後のことも話しましょう
妊娠報告だけでなく、産休や育休のこと、産後の職場復帰のことなどもきちんと話しておくことで、スムーズに職場復帰ができます。
3.周囲への感謝の気持ちと謙虚さ
産後も仕事を続ける場合は、育休を取得することを明確にし「ご迷惑をおかけします」という謙虚な気持ちと、周囲への感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
また、自分の都合だけを押し付けるのではなく、職場の都合にも歩み寄る気持ちが大切です。
4.仕事を辞める場合も好印象を持たれるように
仕事を辞めると決めた場合も、「仕事を続けたい気持ちはあること」「じっくりと考えた結論であること」を伝えるようにしましょう。
好印象を持たれれば、子供が大きくなった時の再就職につながる場合もあります。
一般的な職場への妊娠報告の例文
上司が忙しい場合、メールで伝える場合もあるかもしれません。
本来は、直接会って伝えるのがマナーですが状況によっては文章で報告することも考えましょう。
妊娠報告 例文①出産後も働く意思がある場合
「私ごとで恐縮ですがこのたび妊娠致しました。出産予定日は○月○日頃です。産休や育児休暇取得に関してご迷惑をおかけすると思いますがどうぞよろしくお願いします。」
妊娠報告 例文②妊娠を機に仕事を辞める場合
「私事で恐縮ですが、このたび妊娠しました。予定日は○月○日です。誠に勝手ではございますが育児に専念するため○月○日に退職させていただきたいと思います。体調に関しましては、今のところ問題がないとの診断を受けております。ご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、退職まで頑張りたいと思います。」
妊娠中も快適に働くには?
妊娠中はおなかの赤ちゃんとママの体調を最優先に!
妊娠は病気ではありませんが、妊娠前と同じように仕事をするとママの体に負担がかかることも。
大きなトラブルになってからでは遅いので、体調が優れない場合は上司に事情を説明し、仕事の調整をしてもらえるようにしましょう。
その場合、同僚の負担が増えるかもしれません。
「体調が悪いのでご迷惑をかけてすいません」とひとことあるだけで、コミュニケーションが円滑に進む場合も。
おなかの赤ちゃんが最優先ですが、周囲への気配りも忘れないようにしましょう。
母性健康管理指導事項連絡カードの利用
医師や助産師から、通勤緩和や職務内容の軽減などの指導を受けた場合は、その内容は「母性健康管理指導事項連絡カード」を使って、会社に伝えることができます。
ほとんどの母子手帳に様式が記載されているのでコピーして使うことができます。
また、厚生労働省のホームページからもダウンロードできるので使用しましょう。
産院で必要事項を記載してもらい、事業所に提出することで必要な措置を職場にお願いすることができます。
産休・育休を上手に取得するには?
産後仕事に復帰する場合も、退職する場合も人間関係を良くしておくことはとても大切です。
仕事の引き継ぎがきちんとしている人は、能力が高い人という印象をあたえますよね。
わかりやすい引き継ぎができるように、これまでの業務をきちんと整理するようにしましょう。
産休・育休中も出産したタイミングや保育園が決まったタイミングなど、折に触れて職場と連絡を取ることでスムーズに復帰することができます。
また、休職中でも職場の現状や様子を聞いたり、復帰後の働き方を話しておくと良いでしょう。
先輩ママの体験談
実際に働くママが職場に妊娠報告をした時の体験談を紹介します。
(20代〜30代 女性:ランサーズ調べ)
ですので、安定期に入る前でしたが8週目で上司に報告。
同僚へも早めに報告したため、周囲の協力のもと産休ギリギリまでトラブルなく働くことができました。
体調不良で休むこともあったので、6週に入る頃に職場へ報告しました。
幸いにも妊娠に理解がある環境だったので、つわりが軽くなるまで同僚がかなり助けてくれました。
安定期に入る前に報告したので、「流産したらどうしよう・・・」という不安はありましたが早めに報告してよかったと思います。
第一子出産後、復帰してそれほど期間があいていなかったので、正直なところ妊娠報告は躊躇しました。
育休取得後、再び職場復帰しましたが休職中も同僚とコミュニケーションをとるようにしていたため、スムーズに職場復帰することができました。
妊娠報告をスムーズにすませて産後も安心して働こう!
今回は職場への妊娠報告する場合のタイミングや注意点について紹介しました。
全ての人が妊娠・出産への理解があるわけではないので、妊娠を報告することでイヤな思いをする場合があるかもしれません。
しかし、妊娠中はおなかの赤ちゃんを守るためにも周囲のサポートは不可欠です。
特に出産後、職場復帰を考えている場合は早めに報告し、妊娠中だけでなく出産後のことも話し合う必要がありますよね。産後も安心して働けるように、マナーを守り好印象をもってもらえるように、妊娠報告をするようにしましょう。