妊娠中は、ママの体だけでなく赤ちゃんを守るためにも水分補給が大切です。
ところが、妊娠すると体質や味覚の変化、つわりの影響で思うように飲み物が飲めないことも。
さらに、カフェインや糖分にも気をつけなければいけないので「何を飲めばいいの?」と悩んでしまう妊婦さんも多いかもしれませんね。
そこで今回は、妊婦さんにおすすめの飲み物をご紹介します。
妊娠中に水分補給が重要になる理由は?
妊娠すると水分が特に必要となる理由はいくつかあります。
- 汗をかきやすくなる
妊娠中は体温が上昇するため、汗をかきやすくなります。
- 頻尿になりやすい
妊婦さんの悩みの一つである頻尿は、子宮が大きくなることで膀胱が圧迫され起こります。
排出される水分量が増えるので、その分の水分補給が必要になりますね。
- 羊水を作る
おなかの中で赤ちゃんを守っているのが羊水。
羊水はママの血液からできているのですが、90分毎に50%の羊水が新しいものと交換されていると考えられています。
常に新鮮な羊水を作るために、妊婦さんは水分が書かせません。
- 血流が増える
おなかの赤ちゃんへの栄養補給は、ママの血液を通じて行われています。
妊娠すると栄養補給がスムーズに行えるように、ママの体の血流がアップします。
血液中の水分量を増やすことで、血流が上がるため妊娠するとより多くの水分が必要になるんですね。
- その他
妊娠中はニキビなどの肌荒れや便秘、むくみに悩む妊婦さんも多いです。
これらの症状は、十分な水分補給で緩和されることもあるります。
妊娠中の水分補給のポイントは「こまめに」
水分を摂取することが、妊婦さんにとって重要なことはわかりましたね。
しかし、妊娠中はつわりや体調不良で思うように水分を摂取することができないかもしれません。
そんな時は、少量でもいいのでこまめに水分をとるようにしましょう。
特に夏場は意識的に飲み物を飲むようにすることが大切ですよ。
吐き気がひどい時は、氷を舐めるなどして少しずつ水分補給してくださいね。
妊娠中におすすめの飲み物は?
妊娠中は水分補給が大切とはいえ、妊婦さんは控えたい飲み物や飲んではいけない飲み物もあります。
「何を飲めばいいの?」と迷ってしまうこともあると思いますが、体調別におすすめしたい飲み物を紹介します。
一般的な水分補給におすすめの飲み物
【軟水】
一番のおすすめはお水です。
日本の水は軟水で、カルシウムやマグネシウムの等の金属イオン含有量が少ない水質。
雑味も少なく飲み慣れているので、身体に負担も少ないですよ。
白湯など、温かくして飲むと冷えも解消されるのでおすすめです。
ミネラルウォーターの中には硬水のものもあります。硬水のミネラルウォーターは海外から輸入されているものがほとんどですが、香水は腎臓に負担がかかることがあるので注意してくださいね。
【炭酸水】
「普通のお水は飲みにくい」という場合には、炭酸水がおすすめです。
はじける炭酸の刺激が心地良く気分をすっきりさせるとともに、胃の働きを刺激し、食欲増進作用も期待できます。
つわりで食欲がない場合は試してみてはどうでしょうか?
炭酸水を飲む場合は、甘みのないものを選ぶといいでしょう。
【麦茶】
ノンカフェインで安心できるお茶といえば麦茶です。
手に入りやすく安価で、血流を良くする効果もあります。
身体を冷やしやすい飲み物なので、日描きになる方は温めて飲んでも美味しいですよ。
栄養補給もできて一石二鳥の飲み物
【甘酒】
お米と麹からできている発酵飲料の甘酒は、アミノ酸が豊富で栄養満点。
糖分が高いので飲み過ぎには気を付けなければなりませんが、つわりなどで食べられない時期に心強い飲み物です。
【フルーツジュース】
フルーツジュースは好みがありますが、柑橘系のジュースはスッキリするので、つわり時期におすすめです。
ビタミンCやクエン酸など、疲れた身体を労わる成分も摂取できます。
【生姜湯】
生姜は胃腸の活動を活発化させ、体温上昇にも効果のある優れもの。
柚子やレモンなどの酸味のある果汁を加えると美味しく、ビタミン補給も叶います。
甘みをつけると飲みやすくなるので、はちみつや黒糖を足すのも良いですね。
便秘が気になるときは?
【ヨーグルトドリンク】
甘いタイプが多いので注意が必要ですが、乳酸菌による整腸作用が望めます。
つわりなどで、食事量が減ると便秘気味になることもありますが、ヨーグルトドリンクは消化に良く栄養価も高いので、栄養補給としてもおすすめの飲み物です。
【青汁】
原料や産地により含まれる栄養素は違いますが、大麦若葉は水溶性食物繊維が多く、便秘対策におすすめ。
また、ケールは栄養価が高く吸収の良いカルシウムを多く含んでおり、明日葉はむくみ対策に向くカリウムを多く含んでいます。
【ゴボウ茶】
ゴボウ茶も食物繊維が豊富で便通に効果があります。
根菜であるごぼうが原料なので冷えにもおすすめですよ。
冷えからくる便秘には特に効果が期待できそうですね。
むくみが気になる時は?
【コーン茶】
むくみの原因になるナトリウムの排泄に効果がある、カリウムが多く含まれます。
ノンカフェインでほんのり甘くて飲みやすいうえ、鉄分やビタミンB群、ビタミンEが多く含まれるのが特徴です。
【ルイボスティー】
ルイボスティーと言えば花粉症などのアレルギー緩和に良いお茶ですが、むくみ防止にもおすすめです。
水分代謝を良くしナトリウムを排泄するカリウムのほか、カルシウムや鉄分、亜鉛にマグネシウム、とさまざまな栄養素を含んでいるうえ、善玉菌増加作用もあります。
【あずき茶】
むくみの原因は塩分だけではありません。
血行不良や冷えによるむくみには、血行促進作用が期待できるポリフェノールが豊富なあずき茶が良いでしょう。
ビタミンやミネラルも豊富です。
より良いカラダづくりに
【ローズヒップティー】
甘い香りとさっぱりした口当たりが上品で飲みやすい、ノンカフェインのハーブティーです。
健康維持や肌荒れ対策に必須のビタミンCが非常に豊富で、ビタミン爆弾の異名を取るほど。
市販品で赤みがかったものは、ハイビスカスがブレンドされていることもあるので注意が必要です。
ハイビスカスは体質によっては妊娠中の飲用に向かないと言われています。
【タンポポコーヒー】
妊娠中はカフェインが含まれているコーヒーを控えている方が多いと思いますが、コーヒーの風味だけでも味わいたいときにおすすめなのがタンポポコーヒーです。
ノンカフェインなうえ、抗酸化ポリフェノールや、ビタミンB2、ビタミンC、鉄分にカルシウムと、身体に良い多くの栄養素が含まれています。
【そば茶】
特に抗酸化ポリフェノールを多く含む「だったんそば茶」がおすすめです。
血流を良くする働きや、膵臓機能を高めて糖尿病を予防する働きが期待できます。
ノンカフェインなところも嬉しいですね。
妊娠中は控えたい飲み物
妊娠中におすすめの飲み物を紹介しましたが、妊婦さんが控えたほうがよい飲み物もあります。
- お酒(アルコール)
妊婦さんがお酒などのアルコールを摂取することで、おなかの赤ちゃんが「胎児性アルコール症候群」を発症し、成長の遅れや神経系に異常が出ることがあります。
アルコール0%とされているノンアルコール飲料は、ごく微量のアルコール成分が含まれていることがあるので、飲まない方が無難ですが、どうしても飲みたい場合は、購入前に成分表示を確認し医師に相談しましょう。
▶︎妊娠したら飲酒をやめるべき?赤ちゃんへの影響はいつからあるの?
- カフェイン・タンニン
妊娠中のカフェインの過剰摂取と胎児死亡のリスクとの関連性を示した研究資料がいくつかあるため、妊婦さんはコーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲み物を飲みすぎないようにしましょう。
コーラや栄養ドリンクにもカフェインが含まれているので注意が必要です。
また、コーヒー、紅茶、烏龍茶などに含まれるタンニンは、鉄分の吸収を妨げるので貧血が気になる妊婦さんは、特に気をつけてくださいね。
- 一部のハーブティー
ハーブティはリラックス効果があるため、妊婦さんにも人気の飲み物ですが、カモミールやハトムギには子宮収縮を促す作用があるため、妊娠中は注意が必要です。
まとめ
妊婦さんにおすすめの飲み物と注意したい飲み物を紹介しました。
つわりで思うように食事を取れない場合でも、ママと赤ちゃんの健康のためにこまめな水分補給は欠かさないようにしましょう。
妊娠中は、好みの味が変わってしまったり、これまで飲んでいた飲み物を受けつけなくなる妊婦さんもたくさんいます。
あせらず、ゆったりとした気持ちで自分の体に合う飲み物を摂ってくださいね。