妊娠してから貧血の症状に悩まされるという妊婦さんは少なくありません。
めまいや立ちくらみ、動悸などの貧血の症状が頻繁に出てくると心配になりますよね…
病院で鉄剤を処方されることもありますが、できることなら、日々の食事から鉄分を摂取したいですよね。
今回は、妊婦さんに貧血が多い理由や鉄分を効率よく摂取する食べ物・食べ合わせなどについてご紹介します!
妊娠中は貧血になりやすい!その理由と赤ちゃんへの影響は?
妊娠中に貧血が多いのはなぜ?
血液中の赤血球を作る材料の一つである鉄分が不足しているということが大きな理由です。
妊娠すると赤ちゃんにも栄養や酸素を届けなければならないため、通常よりも多くの血液が必要となりますが、増える血液量に対して赤血球などの量はなかなか追いかないんです。
また、つわりなどで思うように食事ができない方は、鉄分を新たに摂取することが難しくなっているかもしれません。
そのような状態が続くことで、身体に備わっている鉄分がどんどん使われてしまい、血液が薄まり、貧血になりやすくなってしまうのです。
貧血による赤ちゃんへの影響
貧血の症状が重くなってくると赤ちゃんに十分な栄養が届いていない可能性も!
早い段階から対策をしていくことが重要です。
特に妊娠初期(3~8週)は赤ちゃんの身体の器官が作られる大切な時期なので、妊娠前から貧血対策をしておくのが理想的です。
妊娠初期の貧血は低出生体重や早産のリスクが上がることも。
また、貧血の状態のままお産に入ってしまうと陣痛が弱まってしまうトラブルも報告されています。
陣痛が弱まるとお産が長引き、母体にも赤ちゃんにも様々なリスクが伴ってしまいやすくなるため、貧血の症状が出ていたら早めに対策してくださいね。
妊娠したら取り入れたい!鉄分が多く含まれる食べ物8選
赤ちゃんに栄養を送るためにも毎日の食事から鉄分を摂取することは非常に重要です。
1日にとりたい鉄分は妊娠前で10.5mgなのに対し、妊娠中は21.0mgと倍の量が必要になるんです!
鉄分には吸収しやすいヘム鉄と吸収されにくい非ヘム鉄の2種類がありますが、この2つの違いを知ることで効果的に鉄分を摂取することができます。
ヘム鉄
肉や魚などの動物性食品から摂取することができ、吸収率が15~20%と良いのが特長です。
ヘム鉄を多く含む食べ物
- 豚レバー50g 鉄分含有量 6.5mg
- 牛モモ肉(赤身)100g 鉄分含有量 2.7mg
- かつお70g 鉄分含有量 1.3mg
- あさり30g 鉄分含有量 1.1mg
非ヘム鉄
野菜や大豆製品から摂取することができますが、ヘム鉄と比べると吸収率は2~5%と良くありません。
ただし、鉄分以外の大切な栄養素が含まれている食べ物もあるので、吸収を助けてくれる食べ物と組み合わせて食べるとバランスよく栄養を摂取することができますよ。
非ヘム鉄を多く含む食べ物
- 小松菜 100g 鉄分含有量2.8mg
- 納豆 50g 鉄分含有量1.7mg
- 木綿豆腐100g 鉄分含有量0.9mg
- 卵1個 鉄分含有量0.9mg
鉄分の吸収をアップさせるコツ
鉄分の吸収率はあまり高くありませんが、吸収を助けてくれる食べ物と食べ合わせることで効率よく摂取することができます。
たんぱく質
たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品や乳製品に多く含まれており、鉄分の吸収を助ける働きがあります。
肉や魚はもともと鉄分の含有量が多いものですが、特に非ヘム鉄である野菜類と組み合わせて食べると2種類の鉄分を効率よく摂取することができます。
タンパク質を多く含む食べ物
- しらす干し
- 豆腐(大豆類)
- いわしの丸干
- あじ
- ハマグリ
ビタミンC
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれており、鉄分の吸収率をアップさせる働きがあります。
基礎体力を高める働きもあるので、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。
ビタミンCを多く含む食べ物
- ピーマン
- パセリ
- レモン
- アセロラ
- ケール
- 芽キャベツ
- 柿
- ブロッコリー
酸味や香味
酸味とは酢や柑橘類のことをいい、香味とは香辛料や香味野菜(ショウガ・ニンニク・みょうがなど)のことをいいます。
胃の粘膜を保護するため胃液の分泌が良くなることから鉄の吸収率がアップします。
妊娠中の鉄分摂取に!おすすめのレシピ
しらすと小松菜のチャーハン
しらすと小松菜の食べ合わせは、鉄分だけでなくカルシウムや葉酸も効率よく摂取できそうですね。
あさりとレモンの洋風酒蒸し
ヘム鉄が豊富なあさりと、鉄分の吸収を助けるビタミンCが豊富なレモンを組み合わせることで、より効率よく摂取することができますね。
電子レンジで調理ができるが嬉しいですね。
鉄分の吸収を下げるものと注意したい食べ物
鉄分の吸収を助ける食べ物を紹介しましたが、逆に吸収を下げてしまう食べ物もあるので注意が必要です。
また、鉄分は多く含まれている食材の中には、妊娠中は控えたい食べ物もあるので覚えておきましょう。
ただし、それらを「完全に食べてはいけない」ということではありません。
食べ過ぎや食べる順番を少しだけ気をつけることで、より多くの鉄分を食べ物から摂取することができますよ。
鉄分の吸収を下げる食べ物
・タンニン
緑茶や紅茶、コーヒーなどに多く含まれるタンニンは、鉄と結合することで吸収が悪くなってしまうため、食事中や食後に飲むことは控えましょう。
食事と食事の間にリラックスタイムとして、1~2杯飲む程度にするといいですね。
・食物繊維
食物繊維は鉄分の吸収を妨げる働きがあります。
そのため、鉄分を多く含む食べ物を先に食べた後に摂取するといいでしょう。
少しだけ順番を意識するだけで、鉄分の摂取量が変わるので試してみてはいかがでしょうか?
鉄分が多く含まれているが食べすぎに注意したい食べ物
・レバー50g 鉄分含有量 6.5mg
レバーに含まれる動物性のビタミンAを摂りすぎることで、胎児の先天性異常のリスクが高まると考えられています。
貧血予防といえばレバーというイメージがある方も多いと思いますが、過剰摂取には注意してくださいね。
・ひじき5g 鉄分含有量 2.8mg
ひじきには人体に有害といわれる無機ヒ素が含まれています。
無機ヒ素は毒性が高く、赤ちゃんに届いてしまうと奇形や脳障害を起こしてしまうリスクが高まってしまうため、食べ過ぎないように注意する必要があります。
・まぐろ70g 鉄分含有量 1.4mg
まぐろには、魚の体内に蓄積されるメチル水銀というものが存在します。
ママが食べすぎてしまうと赤ちゃんはそれを排出することができないため、中枢神経系の発達に影響を及ぼしてしまう可能性があります。
妊娠中の貧血に処方される鉄剤には副作用がある?
実は私も妊娠中の貧血に悩まされたひとりで、病院で鉄剤を処方されました。
でも、鉄剤を飲むと吐き気が出るのでこっそり捨てました(マネしないでくださいね)。
自分が貧血だという自覚症状はなく、数値的にも軽度だったのでサプリメントを服用し、無事に出産することができました。
体験談をみてると鉄剤は副作用がひどく飲めなかった人が多いようですね。
しかし、軽く考えてた妊娠中の貧血は「ほっておくとリスクがあったんだな」と恐怖も覚えました。
そこで、妊娠中の貧血体験談をいくつか紹介します。
今、貧血の症状で悩んでる方は放置せず医師の診断を受けてくださいね。
鉄剤(フェログラデュメット)を処方されましたが、副作用が強く飲めません。(一日一回一錠と言われています。)
前回貧血気味と診断されたときはフェロミアを処方されましたが、それも副作用が強く飲めませんでした。
私は臨月になった時に貧血ぎみだからと鉄剤処方されたけど、途中で飲むの止めてしまいました。
出産直前の血液検査で貧血が改善しておらず(あたりまえですが…)、鉄剤を注射して出産に挑みました。
無事出産しましたが、出血量も多く輸血寸前でした。
出産後は血が足りずフラフラまともに歩けず、肌も血色が引いて病人みたいでした。
退院まで毎日注射で鉄剤打たれて、その後2ヶ月間鉄剤飲み続けるハメに…自業自得ですが(ーー;)
とにかくしんどかったです。
妊娠8か月の妊婦です。
先日病院で妊娠性貧血と診断され、フェロチームという鉄剤を処方されました。(赤血球?の数値が10.2です。)
数日飲んでいるのですが、胃痛と背中痛が日に日に強まってきて、昨夜は眠れませんでした。
まとめ
貧血というと大したことがないように感じてしまう妊婦さんもいるかもしれません。
しかし、鉄分を摂取して貧血を防ぐことで、母体の負担を軽減することができますよね。
妊娠中に限らず、バランスよく食べることが基本ですが、鉄分は意識しなければ不足しがちな栄養素です。
食べ合わせなどを工夫して効率よく摂取してくださいね。