家庭内で無事に新しい家族を迎えたら、パパ・ママの両親や親族への報告で大忙し・・・
みんなの「おめでとう!」の言葉がうれしくて笑顔が絶えなくなります。
でも、ちょっと待って!
まわりの方への赤ちゃんのお披露目も大切ですが、実は赤ちゃんが生まれたら赤ちゃんのためにしておかなければならない手続きが意外とたくさんあるんです。
最短のものでは赤ちゃんの誕生から2週間以内に済ませなければならない手続きが。
うっかり「あ、忘れてた!」では済まされない、大切な赤ちゃん誕生後の手続きについて、内容や期限を紹介します。
赤ちゃん誕生後に必要な手続き ~期限はいつまで?~
赤ちゃんが生まれたら赤ちゃんとの時間を大切に過ごしたい、と誰もが思うものですが、新米パパ・ママとしてたくさんの手続きが待っています。
どのような手続きがあるのか・いつまでに手続きすべきなのかを、一覧にまとめました。
やるべき手続き | 期 限 |
①出生届の提出 | 赤ちゃんの出生日を含めた14日以内 |
②健康保険への加入 | 加入する保険により異なる |
③児童手当の申請 | 赤ちゃんの出生日翌日から15日以内 |
④乳児医療費助成の申請 | 健康保険の加入から1ヶ月検診まで |
⑤医療費控除の手続き | 診療を受けた翌月から2年以内 |
⑥出産育児一時金の申請 | 赤ちゃんの出生日翌日から2年以内 |
⑦出産手当金の申請 | 赤ちゃんの出生後56日以降 |
⑧育児休業給付金の申請 | ハローワークの指定期日日(勤務先の指定日の場合も) |
赤ちゃん誕生後から、いろいろな手続きをしなければならないことがわかります。
1つずつ確実にこなしていけるように準備をしておきましょう。
手続きに必要なものは何?赤ちゃんの親以外でも手続きできる?
手続きがたくさんあることがわかったところで、手続きに必要なものや注意点をチェックしましょう。
①出生届の提出
出生届は生まれてきた赤ちゃんを戸籍に入れる手続きです。
出生届を提出し受理されると、子供が生まれたことが公的に認められ、生まれてはじめての贈り物となる「名前」が父母の戸籍に記載されます。
手続きに必要なもの
- 母子手帳
- 記入済みの出生届
- 出生証明書(出生届内に医師が記入)
- 届出人の身分証明書・印鑑(シャチハタ不可)
手続き上の注意点
- 提出期限:出生日から14日以内
- 提出先:子供の出生地・父母の本籍地などの市町村役場
- 届出人:父母(代理人も可だが、署名捺印は父母が行う)
②健康保険への加入
子供が生まれたら、父母どちらかの扶養とし健康保険に加入しなければなりません。
共働きの場合は、年収の高い方の扶養に入り、同額の場合はパパの扶養に入ることが多いようです。
扶養する人が勤務先の健康保険や共済組合の場合は、勤務先へ申請し子供もそちらへ加入します。
また、扶養する人が国民健康保険の場合は、子供も国民健康保険へ加入することになります。
手続きに必要なもの
- 出生届出済証明が記入されている母子手帳
- 届出人の身分証明証(写真付き)
- マイナンバーが確認できるもの
- 健康保険証
- 届出人の印鑑
手続き上の注意点
- 提出期限:原則1ヶ月検診まで(国民健康保険は生後14日以内)
- 提出先:健康保険は勤務先の窓口。国民健康保険は市区町村窓口
- 届出人:父母のどちらか(国民健康保険は住民票が一緒の家族)
③児童手当の申請
児童手当は中学生までの子供を養育している方に支給されるものです。
0歳〜3歳未満は月額15,000円。3歳〜小学生は月額10,000円(第3子以降は15,000円)。中学生は月額10,000円支給され、所得制限があります。所得制限で引っかかってしまった場合は、月額5,000円支給されます(2018年9月時点)
児童手当の制度は変更になることもあるので、最新情報をホームページなどで確認しましょう。
手続きに必要なもの
- 児童手当・特例給付認定請求書
- 届出人の健康保険証
- 届出人の名義になっている普通預金通帳
- 届出人の身分証明証(写真付き)
- マイナンバーが確認できるもの
- 所得証明または課税証明(不要の場合あり)
- 届出人の印鑑
所得証明は請求者のマイナンバーカードや通知カードがあれば不必要な場合もあります。
手続き上の注意点
- 提出期限:出生日より15日以内
- 提出先:住民票のある市区町村役場
- 届出人:家庭の中で年収が多い人
④乳児医療費助成の申請
乳児医療費助成は乳幼児が医療を受ける場合に、経済的負担を減らすための制度ですが、市区町村によって制度内容は異なります。
また、手続きの方法も違いがあるので、妊娠中に調べておくと出産後に慌てなくてもいいですね。
手続きに必要なもの
- 乳幼児医療証の交付申請書
- 赤ちゃんの健康保険証
- 届出人の身分証明証(写真付き)
- マイナンバーが確認できるもの
- 所得証明または課税証明(不要の場合あり)
- 届出人の印鑑
手続き上の注意点
- 提出期限:市区町村による(出生日から1〜6ヶ月以内が多い)
- 提出先:住民票がある市区町村窓口
- 届出人:両親(保護者)
⑤医療費控除の手続き
1年間に多くの医療費がかかった時は、確定申告することで払った税金の一部が戻る場合があります。
出産で出費がかさんだ年は、戻る可能性があります。
手続きに必要なもの
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 医療費の明細書
- マイナンバーが確認できるもの
- 届出人の印鑑
手続き上の注意点
提出期限:確定申告期間(2月半ば〜3月半ば・還付申請だけの場合は1年中受付け可)
提出先:税務署
届出人:扶養者
⑥出産育児一時金の申請
出産育児一時金は、生まれた子供1人につき基本42万円支給されます。
これは、出産にかかる費用を公費で負担するもので、ほとんどの場合、健保から産院へ直接支払われますので、出産する病院の窓口で必要書類を記載し、健康保険証を提出するだけでOKです。
ただし、出産する産院が「直接支払制度」に対応していない場合は、下記のものを準備し自分で手続きする必要があります。
手続きに必要なもの
- 出産育児一時金の申請書
- 直接支払制度に係る代理契約に関する文書の写し
- 出産費用の領収書と明細書
- 出生を証明する書類
手続き上の注意点
- 提出期限:出産翌日より2年以内
- 提出先:会社の窓口(国民健康保険の場合は市区町村窓口)
- 届出人:扶養者
必要に応じて申請するものも
⑦出産手当金の申請
出産手当金は働いているママが産前産後休暇(産休)を取得した場合に、仕事を休んでいる期間にもらえるお金です。
自営業や個人事業主で国民健康保険に加入している人は、もらうことができないので注意が必要です。
手続きに必要なもの
- 出産手当金の請求書
- 健康保険証
- 出産手当金を受け取る口座
- 出生を証明する書類
- 申請人の印鑑
手続き上の注意点
- 提出期限:出産後56日以内
- 提出先:会社の窓口
- 届出人:母親
⑧育児休業給付金の申請
育児休業給付金は育児休暇中に支給されるもので、勤務先を通じてハローワークへ申請します。
ほとんどの場合、勤務先に申請することで手続きを全て行ってくれますが、勤務先が代行してくれない場合は、自分でハローワークで申請する必要があります。
手続きに必要なもの
- 育児休業基本給付金の申請書
- 給付金を受け取る口座
- 出生を証明する書類
- 届出人の印鑑
手続き上の注意点
- 提出期限:ハローワーク指定日(もしくは勤務先指定日)
- 提出先:勤務先の担当窓口
- 届出人:育児休暇を取得する本人
自分が申請すべきものを把握しよう
手続きの多くは住民票のある市区町村の役所・勤務先・健康保険の窓口などで申請をすることができます。
手続きに必要なものは重複しているものが多いので、効率よく申請できるようにあらかじめ準備しておくといいでしょう。
特に注意が必要なのは、里帰り出産をした場合の手続きです。
出生届に関しては赤ちゃんが誕生した地域の役所でも提出することができますが、他の届け・申請については居住地や勤務先への手続きになるため、自宅に残った家族が手続きをすることになります。
もし手続きを忘れたら、どうなるの?
赤ちゃんが誕生したら忘れてはならないのが「出生届」の提出です。
万が一、出生届の提出が遅れてしまった時には罰金(5万円以下)が課せられる場合があります。
事故・天災などやむを得ない事情があれば「届出遅延理由書」によって罰金は免れることができますが、それ以外で未届けになるようなことは避けましょう。
出生届を出さないままであるということは、生まれてきた赤ちゃんに戸籍がないことになってしまいます。
そのことは赤ちゃんがこの世に「存在しないもの」として扱われることになってしまい、以下のような不具合が生じてしまいます。
- 健康保険証が作れない
- 検診や予防接種が受けられない
- 義務教育を受けることができない
- 銀行口座を作れない
- 選挙権がない
- 運転免許やパスポートが取得できない
これらはほんの一例にしかすぎません。
赤ちゃんに不便な生活を強いることがないように、出生届だけは早急に出すようにしましょう。
また、児童手当についても申請の時期が遅れてしまうと本来受け取れるはずの児童手当が受け取れなくなってしまいます。(手続きからさかのぼって支給されるシステムにはなっていません)金銭的な損害が発生しますので、こちらもしっかりと手続きを済ませるようにしておきましょう。
「あ、忘れてた!」のうっかりを防ぐために
赤ちゃんの誕生は誰もが心待ちにしています。
無事に生まれた赤ちゃんを笑顔で迎えるためにも、産後に必要な手続きについては妊娠中からしっかりと知っておき、忘れずに手続きをするようにしておきましょう。
一覧を作って、誰がいつ手続きをするのかを書き留めておくといいでしょう。
そして、産後は実際にいつ誰が手続きを行ったのかをきちんとチェックできるようにしておくのがおすすめです。
何かとめんどうに感じる手続きがたくさんありますが、済ませてしまえば赤ちゃんとの新しい生活の始まりです。
家族みんなが笑顔で毎日を過ごすためにも、チェックはお忘れなく!