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妊娠中の痔には薬が使えない?!症状別の対処方法を解説!

妊娠して痔になったら 妊娠・出産

妊婦さんがかかりやすく、人知れず悩んでいることが多いのが『痔』です。
なんとプレママの2人にひとりが痔に悩まされているとか!

妊娠中は肛門や腸に負荷がかかりやすく、特に痔になりやすいのです。
一度発症すると治りにくく、長引く痛みに苦しんでいる妊婦さんも少なくありません。

ところが、残念ながら妊娠中は痔の薬がほとんど使えません。なかでも妊娠初期や出産間近に使用できる薬はごくわずかというのが現状です。
実は筆者も妊娠中と産後、2回も痔を体験したひとりです。

そこで今回は、自宅で症状を緩和してケアする方法をご紹介したいと思います。
症状別に解説しますので、痔でお悩み中のプレママさんはぜひご覧くださいね!

切れ痔の特徴

まずは今、どんなタイプの痔に悩まされているのかをチェックしましょう。
痔には大きく分けて『切れ痔』『いぼ痔』『痔ろう』という3タイプがあります。
それぞれの症状や見た目の特徴などについて大まかに解説します。

切れ痔の特徴

「切れ痔」は肛門の外側の皮膚が裂傷を起こした状態のことです。
最も簡単にかかりやすい痔でもあり、どちらかというと怪我に近いものです。

切れ痔・・・肛門の皮膚が切れている。出血は少量で、強い痛みや痒みがある。

神経が通っている部分に裂傷が起こるので痛みが強く、痛いからと排便を我慢してさらに便が硬くなるという悪循環に陥りがちな痔でもあります。
治りかけの状態になると痒みが出て、ムズムズとして気になる場合も。

切れ痔の原因

便秘での硬い便や下痢によるダメージで肛門が傷つき、それが原因で切れ痔になります。
妊娠すると腸の働きが弱まり、便秘になりやすいので特に注意が必要です。

いぼ痔(内痔核・外痔核)の特徴

肛門にできたいぼ状のかたまりのことを「いぼ痔」あるいは「痔核」といい、できた場所によって「内痔核」と「外痔核」の2種類に分けられます。

肛門には「歯状線」という粘膜と皮膚の境目があり、内側(粘膜側)にできるのが内痔核、外側(皮膚側)にできるのが外痔核です。

内痔核と外痔核の特徴

痔核の中身は血のかたまりで、大豆程度の大きさでプクッと赤黒く膨らんでいるのが特徴です。

内痔核・・・痛みがなく、出血あり。表面がヌルヌルしている。指で肛門内に押し戻せる
外痔核・・・痛みがあり、出血は少ない。肛門の入り口にできていて指で押し戻せない

肛門の内側には神経がないので内痔核には痛みもなく、外側は神経が通っているので外痔核には痛みがあります。

内痔核が進行した「かんとん痔核」について

内痔核の中に血栓ができて腫れ、肛門に押し戻せなくなったものを「嵌頓痔核(かんとんじかく)」といいます。
いぼが肛門に締め付けられ出っぱなしになり、痛みがあります。

外痔核が進行した「血栓性外痔核」について

外痔核が激痛を引き起こす状態にまで進行したものが「血栓性外痔核」です。
外痔核の中に小さな紫色の血栓ができ、表面にポツポツと見えます。
非常に痛いのですが、血流が改善されて血栓が溶けてくると痛みや腫れが治まってきます。

筆者の体験談

筆者は妊娠6ヶ月目に内痔核を、出産から1年後に血栓性外痔核を患いました。内痔核は痛みもなく小さかったので、妊婦健診で相談した結果そのまま温存。その後、数週間で消滅しました。
しかし血栓性外痔核は排便時にかなりの痛みが!肛門にぷっくりとした痔核ができ、紫色の3つの血栓がくっきりと透けて見えました。
激痛でしたが血栓性外痔核だとすぐ分かったので、一旦様子を見てみることに。
よもぎ湯やカイロで温め続けたところ1週間ほどで痛みはなくなり、2週間ほどで痔核も小さくなりました。

痔ろうの特徴

痔ろうとは「肛門周囲膿瘍」が進行し、膿が外に漏れ出る状態になった症状のことをいいます。
肛門周囲膿瘍は、肛門の粘液を分泌する「肛門陰窩(こうもんいんか)」という部分に細菌が入り込んで炎症を起こし、化膿することで発症します。

 痔ろうと肛門周囲膿瘍の特徴

それぞれの特徴は以下のとおりです。

肛門周囲膿瘍・・・肛門が腫れてズキズキ痛み、熱がある。
痔ろう・・・肛門周囲膿瘍が進行し、膿が漏れている状態。腫れや痛みは徐々に引いていく。

痔ろうになると症状は治まってきますが、炎症を起こした部分は「膿の穴」となってそのまま残り、再発を繰り返します。

痔ろうを完治するには穴を手術で除去する必要があり、最も治療が難しい痔ともいわれています。
放置すると「肛門がん」に発展する危険性もあり、特に注意が必要な痔です。・

もし痔になってしまったら?症状別の対処方法!

妊娠中の痔は薬の使用が難しいこともあり、自宅での緩和ケアがすぐにできる対処方法となります。
具体的なケア方法と、どうしても薬を使いたい場合の注意点を解説しますので、ご一読くださいね。

いぼ痔・切れ痔の場合

いぼ痔・切れ痔の原因は肛門付近の血行悪化なので、患部を温めてください。
冷やすのは厳禁です!血栓性外痔核やかんとん痔核も同様です。
血栓が溶けて流れれば、治りも早くなります。
横になって休み、カイロや蒸しタオルを患部にあてて温めたり、湯船にゆっくり入り血行を良くするようにしてください。

別記事でご紹介した「よもぎ蒸し」や「よもぎの腰湯」も効果があります。
よもぎの薬効成分がプラスされて、さらに症状改善の効力が期待できますよ。

アロマオイルを使ったケア方法もあります。
カレンデュラオイル10ccに対しティーツリー精油を1滴の割合で混ぜ、コットンに含ませて清潔にした患部に直接当てます。(1日2回程度)
これは切れ痔に効果があり、妊娠中や授乳中でも安心して行えます。

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肛門周囲膿瘍・痔ろうの場合

肛門周囲膿瘍・痔ろうは炎症を起こして腫れている状態なので、冷やしてください。温めると悪化します!
うつぶせの姿勢になり、氷のうやタオルを巻いた保冷剤で患部の熱をとるようにします。

こまめにシャワーやウォシュレットで優しく洗い流し、しっかりと乾かして患部を清潔に保ちましょう。
そして必ず専門医にきちんと診察をしてもらってくださいね。

薬の使用は医師に相談を!

痔の相談は恥ずかしくてお医者様にできないという人もいるかとは思いますが、妊娠中の市販薬使用はやはり危険です。

どうしても薬をという場合はステロイドが入っていないものを探し、かかりつけの産婦人科か専門医の診察を受けることをおすすめします。
また、胎児への影響も考慮して、鎮痛剤の使用も控えた方が安心です。

妊娠中の痔、お腹の赤ちゃんへの影響は?!

痔がお腹の赤ちゃんや出産に影響がないか不安に思う妊婦さんもいますよね。
でも直接何かが影響することはありませんので、心配しないでくださいね。
ただし、症状の悪化には注意が必要です。

出産での症状悪化

自然分娩での出産はお腹に思いっきり力を入れていきむので、肛門に相当な負担がかかって症状が悪化してしまうことも!
ひどいときは、いきんだ勢いで脱肛してしまう場合もあります。
また、出産後に痔になるママもいるので要注意です。

痔が心配な場合は、出産前に産科での相談を!

痔の不安がある場合は、分娩前に担当の助産師さんやお医者様に相談しておくと安心ですよ。
いきむときに肛門付近を押さえて、脱肛したり裂傷が広がらないよう保護してくれます。

相談するのはちょっと気がひけるかも知れませんが、実際に分娩台に上がったらそれどころではなくなるので、意外に恥ずかしくないものです。
少しだけ勇気を出して、心配は解消してから出産に挑みましょう!

痔を悪化させないための要注意ポイント!

痔になると痛みや出血の対処にばかり意識が向いてしまいますが、再発防止のためにも生活習慣を少し見直してみましょう。

  • 排便では、長く力み過ぎない!ゆっくりと便を移動させるつもりで少しずつ力を加える
  • お尻を拭くときは優しく、ウォシュレットなどもうまく使って患部を清潔に
  • 辛いもの、刺激の強いもの、冷たいものの飲食は控える
  • 長時間の座り姿勢は避け、適度に動いて血行改善を促す

痔の予防には便秘の解消も大切です。こまめに水分補給をして乳酸菌や食物繊維を積極的にとるなど、お通じを良くするように気をつけてみてくださいね。

痔になってしまったら、まずは症状別の緩和ケアを!

筆者の体験談も例に「妊婦さんの痔」について解説しましたが、参考になりましたでしょうか?
妊娠中や授乳中は、赤ちゃんへの影響を避けるため痔の薬は控えた方が安心です。
まずはかかりつけの産科で相談しながら自宅でのケアをしましょう。

温めるのか冷やすのかは痔の種類によって変わりますので、判断がつかないときはお医者様の診察を受けてくださいね。
2週間以上ケアを続けても症状が良くならない場合にも、専門医の診察をおすすめします。

そして治療だけではなく、再発防止のためにも日頃の生活習慣も改善するよう心がけましょう。
同じ辛さを体験した先輩ママとして、みなさんの痔のお悩みが1日でも早く解消しますよう、心から願っています!