結婚から数年、旦那と2人だった生活に家族が増える!と妊娠を喜んだものの「双子ですね」の医師の言葉にしばし唖然・・・
「そっかー、双子なのかー」と思いながら、身近に双子ママの知り合いもおらず「私はどうなるの?」と不安が襲ってきたのも事実です。
単胎児妊娠とは異なり、ママへの負担はもちろん赤ちゃんへの負担も伴う双子の妊娠&出産。
双子妊娠のママへのリスク・赤ちゃんへのリスクを現役双子ママが詳しく紹介させていただきます。
怖がる必要はありません。しっかりと知識を身につけて、安心して出産に挑みましょう!
双子の妊娠には種類がある! ~一卵性と二卵性~
学生時代やこれまでの生活の中で双子と出会ったことがある方はご存知かもしれませんが、双子には「一卵性」と「二卵性」があります。
この違いは、双子の外見や性別にかかわってくるのですが、妊娠中にも大きな違いが出てきます。
まずは、双子の一卵性と二卵性の違いについて見ていきましょう。
一卵性と二卵性の違いって何?
一卵性というのは、1つの受精卵が2つに分裂してそれぞれ成長します。
そのため、双子の性別・血液型・遺伝子が同じとなり、顔・体格などもそっくりな双子が誕生することになります。
二卵性というのは、2個の卵子がそれぞれ受精をして成長します。
そのため、双子の性別・血液型・遺伝子は異なり、体・体格などもまったく違う!という双子が誕生することもあります。
我が家は二卵性の双子ですが「本来は別々に生まれてくる兄弟姉妹が同時に生まれてくると考えればいい」と私は医師から言われました。
我が家に誕生した双子は「男子×2」でしたが血液型は別でした。
ママ友などからは「似てる」「片方だけ見るとどっちかわからない」と言われますが、長男は一重まぶた・二男は二重まぶたと親からすると見た目の違いは明らかです。
でもやっぱり、寝ている時や後姿での見分けはつかないことがあるんです。
その点では「兄弟」というところですね。
双子妊娠のリスクにはどんなものがある?
私の双子妊娠が分かった時には、医師から「双子には安定期がないものと思え」と言われました。
マタニティヨガとかやってみたいなぁなんて憧れがありましたが、この一言で打ち砕かれてしまいました・・・
「双子には安定期がない」と言われるには、それ相応の理由があります。
赤ちゃんの体へのリスク
単胎妊娠の場合、赤ちゃんは「1つの胎盤」を持ち「1つの羊膜」の中で羊水に包まれて、そのまわりを「1つの絨毛膜」に包まれて育ちます。
ところが、双子の妊娠では大きく3つのパターンに分かれて育ちます。
一絨毛膜一羊膜
2人の赤ちゃんが「1つの胎盤」を共有し「1つの羊膜」の中で羊水に包まれて、そのまわりを「1つの絨毛膜」に包まれて育ちます。
胎盤を共有することで、ママからの栄養や血液を取り合ったり赤ちゃん同士がぶつかってしまったりへその緒がからまってしまうといったリスクが発生します。
一卵性双生児の約1%に発生する事象ですが、単体妊娠に比べるとリスクは約100倍にもなります。
一絨毛膜二羊膜
2人の赤ちゃんが「1つの胎盤」を共有し「2つの羊膜」の中でそれぞれ羊水に包まれて、そのまわりを「1つの絨毛膜」で包まれて育ちます。
ママからの栄養や血液の取り合いは起こりますが、個々の部屋があるため、一絨毛膜一羊膜よりもリスクは少なくなります。
一卵性双生児の約75%がこのパターンに当てはまり、単胎妊娠の約10倍のリスクがあると言われます。
二絨毛膜二羊膜
2人の赤ちゃんが「それぞれの胎盤」を持ち「2つの羊膜」の中でそれぞれが羊水に包まれて、そのまわりを「2つの絨毛膜」がそれぞれを包んで育ちます。
双子妊娠の中では一番リスクが少ないと言われていますが、単胎妊娠よりもリスクは高くなります。
二卵性双生児は100%、一卵性双生児の約25%がこのパターンに当てはまります。
▶︎双子妊娠の30%で発生するバニシングツイン。経験談とともに解説!
ママの体へのリスク
人と同じ哺乳類の中でも多胎の妊娠率が高い動物がいますが、人間は「単胎妊娠」が基本となっています。
そのため、双子を妊娠すると、ママの体にもいろいろな負担がかかることになります。
早産・流産
赤ちゃんが1つの子宮の中で2人同時に育っていくのですから、重さもかなりのものになります。
赤ちゃん2人分の重さによって子宮頸管が短くなってしまうと、早産の可能性が出てきてしまいます。切迫早産の危険性が高まると、管理入院をする必要が出てきます。
私の場合には妊娠9ヶ月目に約2週間の管理入院をしました。
その後いったん退院をして37週に入ってすぐ帝王切開にて出産。
双子の体重は長男が約2600g、次男が約2500gと双子にしては立派と言われました。
これも、管理入院で早産を逃れられたおかげだと思っています。
高血圧・貧血
子ども2人に栄養を与えなければならないので、ママは慢性的な貧血を起こしやすくなります。
血液が不足気味にもかかわらず、全身に血液を送る必要があるのですから高血圧になってしまいます。
妊娠高血圧症候群を発症してしまうと、母体に脳出血やけいれんを発症する危険性が高まるだけでなく、赤ちゃんに十分な栄養がいかなくなったり胎盤が早期剥離してしまう可能性も出てきます。
むくみ・便秘
お腹の中で成長していく双子たちは、ママの血管や腸を圧迫するようになります。
すると血流が滞りやすくなったり、腸の動きが悪くなったりしてむくみ・便秘の原因となるのです。
▶︎妊娠中の便秘を解消するには?気を付けるべきポイント3つ!
腰痛
妊娠の継続とともに重くなっていくお腹(しかも2人分)を支えるのは、立つ・座る・寝るのどの体勢をとってもつらいものがあります。
妊娠前から腰痛の経験がない方も、妊娠を機に腰痛を発症することが考えられますので注意が必要です。
妊娠前に腰痛の経験があり「女性は妊娠で悪化する人が多い」と言われていましたが、妊娠中から現在(双子は9歳になりました)まで、腰痛がなくなるというミラクルが起きました。
妊娠のおかげか、双子の重みのせいで姿勢が改善されたのかは謎ですが、こんな人もいるんだということを紹介しておきます。
医師・看護師などのアドバイスを守って、リスクを乗り切ろう!
双子の妊娠はリスクが高いことがわかっていただけましたか?
もし妊娠中に医師や看護師から「できるだけ安静に」と言われたら、きちんと守って安静にしておくことが大切です。
経産婦さんで「上の子が・・・」という方でも、無理に動いてしまうと長期的な管理入院を言い渡されてしまうこともあります。
そうなったら、余計に家庭は大変になってしまいますよね。
私の場合、管理入院中は「ベッドに寝ていること」が仕事で、トイレ以外は寝ているように言われました。
読書をするにしても、横になっていなければならないのです。
ですから、双子の妊娠についてリスクの高さを家族にもきちんと理解してもらって、生産期に入るまで赤ちゃんたちをママのお腹の中で育ててあげられるようにしましょう。
そのことが、子ども達誕生後の新たな生活を助けてくれる第一歩となります。