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発達障害傾向児は幼稚園の受け入れ拒否!?我が家の体験談【3歳・4歳】

発達障害児の幼稚園選び 子育て・育児

我が家には、発達障害傾向のある娘(小3)と息子(年長)がいます。
数年前になりますが、園選びにはとことん悩みました。

意外と盲点なのが、重度の知的・発達障害を持っているお子さんの場合、生活の困難さのレベルは非常に高いものの、療育への入所がスムーズで自治体からの各種支援も受けやすいのですが、軽度発達障害やグレーゾーンの場合は診断がつきにくかったり、自治体や各園によって支援体制に大きく差があるため、手続きや選択に非常に手間がかかるということです。

今まさにその問題で悩み苦しまれているママに、私の体験談が少しでもお役に立てれば幸いです。

発達障害傾向の子は幼稚園か、保育園か?

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待機児童問題やご家庭の事情等で、選択の余地のない方も多くいらっしゃいますが、選択肢があればあるなりに悩んでしまうものですよね。

すでに療育に通っているお子さんは、主治医や担当の心理士と、一般園への移行のタイミングをよく練られた方が良いでしょう。

一方、療育に通う程ではないけれど、じっと座っていられない、人見知りが激しい等、集団生活が心配なお子さんは、保護者が根気よく訴えないと支援や理解を得ることが難しいのが現状です。下手をすると「問題児」「親の躾が悪い」など悪質な誤解や偏見を受けることにもなりかねません。

どちらにせよ、なるべく早い段階で自治体や園の体制・方針をよく調べ、保護者の要望を明確にして、双方をすりあわせていくエネルギーが必要になります。

幼稚園と保育園で比較

幼稚園の場合

良い点

  • お弁当持参の場合が多いので、食のこだわりの強い子には助かる
  • 小学校付属園の場合、就学時の移行・引き継ぎがスムーズ
  • 平日の療育と併用が可能、習い事にも通いやすい

考慮すべき点

  • 園によるが1クラス20~30人程度の幼児に対し担任1人が一般的で、目が届きにくい
  • 自治体により介助員等の加配制度が無い又は整っていない、園で必要なしとされた等の場合、親が保育中の付き添いを要求されることがある
  • 長期休みが多くペースが作りにくい
  • 基本的な身辺自立は家庭に任されることが多い(オムツ外し、箸の練習等)
  • 園及びその時の園長によって方針(一斉活動が多い、自由放任主義、宗教系列など)や、発達障害への理解・支援レベルにかなりの差がある
  • 親の会での役員活動、行事等の手伝い、手作り品の作成、降園後の遊びの付き添い、保護者同士のお付き合い等、親の負担が多いと感じる場合がある

保育園の場合

良い点

  • 1日の殆どを集団で過ごすため協調性・身辺自立・生活習慣が身に付きやすい
  • 幅広い年齢層から様々な刺激を受けられる
  • お昼寝があり自由遊びの時間も多く、第二の家庭的雰囲気で割合ゆったりと過ごせる
  • 長期休みが無いため登園のペースが崩れにくい
  • 基本的には3歳児20人程度に対し大人が1人つくが、他にも保育補助員、パートスタッフ、学生ボランティア等、大人を多く配置する園も増えて来ている
  • 障がい児枠を設けている園もある
  • 一般的に、行事参加や準備等の親の負担が少なく、保護者同士の付き合いも限定的

考慮すべき点

  • 平日の療育や習い事に通いにくい
  • 自治体や園の体制により就学時に小学校との連携が取りにくい場合がある
  • 給食に適応出来ない子はお弁当持参になる場合もある
  • 対応や環境の良くない園の場合、支援も入らないまま長時間放置されてしまうこともある

発達障害傾向の幼稚園探し!我が家の体験談

発達障害児 幼稚園探し 体験談

我が家は幼稚園・保育園共に選択肢の多い地域に住んでいます。
出来る限り本人に合った環境で楽しい思い出を沢山作り、自信をもって小学校に繋げていけることを目標に選びました。

結果、2人とも同じ私立の保育園に入園し、月2~3回の療育を併用して過ごしました。現在の子どもの様子を見る限りでは、最善の選択が出来たかな、とは思っています。

①娘:自閉症スペクトラム+注意欠陥傾向

<懸念点>

  • 感覚過敏
  • こだわり
  • 人見知り・場所見知り
  • 集団行動が苦手

<対策>

  • 徹底的に情報収集!

まだ療育にも通っておらず、当時専業主婦だったので幼稚園を中心に、見学に行く、卒園生など情報通のママ友に聞く、登降園の様子を観察する、等自力でリサーチしました。(ネット情報は、サクラや事実誤認も結構あるので、可能な限り自分の目で確かめることが大事です)

  • 本人の食いつき度をチェック!

目星をつけた数園の説明会に本人を連れて行きました。
好みの激しい子なので気に入れば態度ですぐわかります。
私が気に入った園には興味を示さず、モンテッソーリ教育を導入している小規模保育園の教具に強い執着を見せ「またここにきたい」と宣言。
悩みましたが、確かに本人の好きそうなものがたくさんある環境の園だったので第一希望としました。

  • 的が絞れたら、不安を軽減させることに集中!

毎日なにかと園の前を通るようにし、園グッズを好きなキャラクターで揃え、家でもなるべく園のスケジュールに合わせて行動し、出来るだけ抵抗無く通えるようにしました。
また入園の際に、娘の特徴とフォローのお願いを詳しく伝えておきました。

<入園後の様子と経過>

2歳児クラスからの入園。

本人の意思はあってもやはり母子分離は大変でした。
始めの1ヶ月は、泣く娘を引きずって園まで運び、先生2人がかりで私からはがしてもらい、園の外まで響く娘の声に自分も涙。

保育室の隅に固まって動かない状態が続きましたが、やりたがっていたモンテッソーリ教具を触っているうちに少しずつ慣れていったようです。

また、お気に入りの先生が見つかったことと、保育園なので食事や排泄、昼寝など日常の活動を長時間お友達と繰り返すうちに、園でのペースを掴み安心して過ごせるようになりました。
個別活動に集中しすぎることもありましたが、見通しを持たせていただくことで一斉活動にもしっかり参加できるようになりました。

年中の半ばからお友達関係の問題に悩み、療育を開始。
発達検査の結果からすぐに入所できました。
転園も考えましたが本人が断固拒否したため、最後まで通わせました。

②息子:軽度の知的発達の遅れ+多動傾向

<懸念点>

  • 集団指示理解の難しさ
  • 言葉の遅れ
  • 気が散りやすい

<対策>

  • 主治医と療育の心理士にアドバイスを求める

乳児期から療育支援を受けていたので、まずは専門家の先生達に意見をうかがいました。
「知的発達の遅れは少しあるものの、特別支援施設への通所よりは、療育を併用しながら普通園に通った方が能力が伸びる可能性が高い」とのアドバイスに従い、いくつか見学に行き検討しました。

  • 園の様子、体制をチェック

どこでもそれなりになじめる性格でしたが、環境に左右されやすい面が不安でもありました。

加配があったり看護師が常駐していたりする公立の大規模園は魅力的でしたが、スタッフのシフトの入れ替わりが多く目が届きにくかったり、大人数でペースの速い集団行動についていくのが大変そうだったので諦めました。
近隣の幼稚園からは、持病と発達の問題で敬遠され、保育中の保護者の付き添いを求められました。

娘と同じ園に決めたのは、小規模でゆったりした体制と、「持病や発達面の問題は一緒に考えていきましょう。断る理由は何も無いです。」と仰った園長を始めとした、先生方への信頼や安心感などが要となったからです。

  • 担任、主任と綿密に連絡を取り合う

加配はないものの、小規模園なので、主任、担任、フリーの保育士・保育補助の方々がクラスを超えて息子をみてくださいました。
連絡帳や面談等で日々詳しく様子を伝えてもらい、療育施設とも連携して支援して下さっています。

<入園後の様子と経過>

3歳児クラスからの入園。
割とすぐ慣れましたが、始めの1年は園では無言で先生の指示もよく理解出来ず、常に担任に手を引かれて過ごしていたようです。

しかしやはり定型発達のお友達からの刺激は大きく「みんなについていきたい」「仲間に入りたい」という気持ちが強くなり、さらに療育の甲斐もあって、2年目からお友達の輪に入る、先生にヘルプサインを出す、作業に集中して取り組む、といった課題がクリア出来るようになりました。

3年目の現在は、自分から先生に話しかけ、友だちの会話にも何とかついていけるようになり、年下の子のお世話や制作活動も熱心に行っているようです。
そのような成果を受け、小学校も普通学級に進むことを決め、現在準備中です。

発達の遅れを理由に受け入れ拒否する幼稚園だけではない

発達障害児でも幼稚園を諦めないで

就園は、初めて親を離れて集団社会に入るという大イベント。
特に、発達に心配な点があるお子さんの場合は、何倍にもハードルが上がってしまうものですよね。

100%完全な園はないので、ある程度は妥協すること、またどうしても通うのが無理になった場合の対策を考えておくのも大事です。

迷った時はとにかく園に足を運び、実際に先生と子ども達の様子を見て、お子さんが楽しく通えるイメージを持てるかどうかを基準にしてみて下さい。
情報収集は必須ですが、最後は、実際に育てて来たお母さんの勘が頼りです。

発達の遅れを理由に入園拒否されることもあるかもしれません。
しかし、我が家のように温かく迎え入れてくれる保育園や幼稚園もあります。

「ここでなら、何かあっても頑張っていける気がする」「この園長先生になら何でも相談できそう」など1つでも揺るぎない気持ちがあれば、後悔なく通える可能性は高いと思いますよ!