「妊娠に気づかずお酒を飲んでしまった・・・」
お腹の赤ちゃんへの影響が気になりますよね。
お酒が胎児に良くないと言うのは聞いたことがあるけど、具体的にどんな影響があるの?
どれくらいなら飲んでも平気なの?
大切な赤ちゃんを元気に産むためにお酒と妊娠について紹介します。
妊娠超初期の飲酒は意外と大丈夫だった?
妊娠超初期とは妊娠0週~4週までの事。
0週は妊娠前の最終月経初日をさすので、実際は妊娠していない状態。
2~4週で受精、着床と進み妊娠が成立する過程では飲酒の影響まだ受けていません。
この時期は受精卵に蓄えた栄養で細胞分裂を繰り返している段階なので、もしこの時期に「お酒を飲んじゃったけど平気かな?」と悩まれている方は安心してくださいね。
ただし、毎日泥酔する程飲んでいた場合は念のため医師に伝えておきましょう。
また、アルコール成分は胎盤を通過して、お腹の赤ちゃんに影響を与えてしまいます。
妊娠がわかったら、すぐにお酒はやめるようにしてくださいね。
妊娠中の飲酒はなぜダメなの?
ママのおなかの中の赤ちゃんは、胎盤を通じて栄養を摂取しています。
お酒に含まれているアルコール成分は、胎盤を通過してしまうので、ママが飲酒すると赤ちゃんに届いてしまいます。
胎児はまだ肝臓が未発達なので、アルコールを分解するには長い時間と負担がかかってしまうのです。
アルコールが分解されるまで、赤ちゃんの体内にはお酒が残った状態。
それにより、様々な悪影響が出ると考えられているのです。
妊娠中の飲酒は胎児にどんな影響があるの?
では、妊娠中の飲酒がおなかの赤ちゃんに、どのような影響が出るのか詳しくチェックして見ましょう。
胎児性アルコール症候群(FAS)
胎児性アルコール症候群は、妊娠中に母親が多量に飲酒した場合、30%の確率で発症するといわれています。
胎児性アルコール症候群には3つの特徴があります。
1.特徴的な容姿
- 顔全体が平たい顔つきになる
- 頭が小さい
- 顎が小さい
- 上唇が薄い
- 目が小さい
- 鼻が小さく低い
- 鼻と上唇の間が狭く人中(鼻と口の間の縦の溝)が浅い
- 耳が小さい。耳の位置が下の方にあり反っている
2.中枢神経の障害
- 小脳低形成
- ADHD
- 運動障害
- 難聴
- 斜視
- 直線歩行困難
この他にも、統合失調症や不安障害、適応障害など脳の機能に関する症状を発症リスクが高まると考えられています
3.発育の遅れ
- 低身長、低体重
- 栄養を摂取しても体重が増えにくい
- うつになりやすい
- 心臓に奇形がある場合や心臓の機能が正常でない
- はと胸になりやすい(女児)
発育の遅れや、特徴的な容姿は成長とともに目立たなくなると言われていますが、成長するにつれ「ADHD(注意欠陥多動性障害)」や「うつ病」などの中枢神経障害が現れてくることがあります。
胎児性アルコール症候群は、現在治療法はありません。
ですので、「妊娠中は飲酒をしない」ことが大切です。
妊娠中の飲酒はどれぐらいなら大丈夫?
妊娠中の飲酒は全期間で胎児に影響が出る可能性がありますが、「妊娠超初期」「妊娠初期」「妊娠中期〜」で影響が違います。
妊娠超初期(0〜4週)
妊娠超初期は、前回の生理開始日から約32日間で、ほとんどの人は妊娠に気付かない時期です。
この時期の飲酒は、胎盤がまだ完成していないので、胎児への影響はほとんどないと考えられています。
しかし、大量にアルコールを摂取している場合は流産などの危険性もあるため、妊娠を考えているかたは念のため、妊活中からお酒を控えるようにしましょう。
妊娠初期(4〜15週)
妊娠初期は、赤ちゃんの臓器や骨格が作られる大切な時です。
妊娠初期の飲酒は、胎児性アルコール症候群の中でも、特徴的な容姿や奇形を引き起こすリスクが高いので注意が必要です。
妊娠中期(16週〜)
妊娠中期以降の飲酒は、赤ちゃんの発育不全や中枢神経の以上が高まる危険性があります。
つわりが終わり、ホッとする方も多いころですが、油断せずお酒は飲まないようにしましょう。
妊娠中は少しなら飲酒しても大丈夫?
「一口程度のお酒をたまに飲ん出たけど大丈夫だった」
「禁酒でストレスをためるより、缶ビール1本程度なら飲んだ方がいいんだよ」
という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
海外では、少量のアルコール摂取であれば妊娠中でも影響がないというデータが発表されているようですが、体格なども違うため必ずしも大丈夫とは言い切れません。
また、少量の飲酒でも胎児性アルコール症候群を発症したという報告例もあることから、どれぐらいまでの飲酒量であれば安全という明確な基準もないのです。
周囲の人が飲んでいると「少しだけなら大丈夫だよね・・・」と、思ってしまうこともあるかもしれませんが、赤ちゃんが生まれてから「あのときお酒を飲んでしまったからかな・・・」と後悔しないためにも、妊娠がわかったらアルコールは控えるようにしましょう。
アルコールを使ったお菓子や料理は?
みりんなどの調味料にはアルコール成分が入っています。
しかし、加熱調理することでアルコール成分は飛んでしまいますので、お腹の赤ちゃんへの影響はありません。
また、ワインや日本酒を調味料として使っている料理も多くあります。
こちらも加熱することでアルコール成分は飛部ので、必要以上に心配することはありません。
ただし、バーボンやウイスキーが入ったチョコレートや洋酒に漬けられたフルーツが使われているケーキは、加熱されていないこともあるので、控えるようにしましょう。
ノンアルコールビールは?
お酒が好きな方は、せめてノンアルコールビールでも飲みたい!と思うかもしれません。
しかし、ノンアルコールビールの中には少量のアルコール(1%未満)が入っているものもあるので、注意が必要です。
ノンアルコールビールを飲む場合は、アルコールゼロのものを選ぶようにしましょう。
妊娠中の飲酒は控えよう!
妊娠するとお酒だけでなく、さまざまな我慢が必要になりますよね。
そのことがストレスになる方もいるかもしれませんが、ママのお腹の中で一生懸命成長している赤ちゃんと会える日を楽しみに、頑張って乗り越えましょう!
アルコールだけでなく、カフェインの入ったコーヒーなどの飲み物にも注意が必要ですが、これまで飲むことのなかった、ルイボスティーやハーブティーなどを楽しむのもおすすめです。