私は、2人の障害児を持つ保育士ママです。
今回は現在6歳の息子の体験談をご紹介します。
息子は先天性の病気で、生後直後から入退院を繰り返していたため身体の発達が遅く、言葉もなかなか出ず焦りました。
言葉の遅い子は、「そのうち出るだろう」と思ってはいても、3歳児健診が近くなると、やはり「何かの病気や、発達障害と言われたらどうしよう」と心配になりますよね。
ですが、万が一気になる点があっても、早期対処でぐんと良くなる場合もたくさんあるのです。是非参考にしてみて下さいね。
2歳児の言葉に関する発達の目安
- 「わんわん、きた」「まんま、ちょうだい」などの2語文が話せる
- 自分の名前が言える、または名前を呼ぶと振り向いたり返事をする
- 大人が「あのおもちゃ」など離れた場所を指差した時、そちらを見ることが出来る
- 音楽に合わせて歌う、または歌おうとする
- 大人やTVなどの言葉を真似する
大人の話しかけや指示はほぼ理解出来るようになり、頭の中にはたくさんの言葉が溜まっている状態ですが、それらを自分で表現として使えるようになる時期には個人差があります。
★息子の場合★
乳児の頃から人への関わりは意欲的で、歌や踊りも大好きな子でしたが、2歳の誕生日時点で発語は「わんわん」「あった」など単語のみ。
自分の名前が言えて、2語文が出てきたのは3歳半くらいでした。
原因と対策① 身体や環境の問題
①耳がよく聞こえていない
・中耳炎
幼児期は中耳炎を起こしやすく、悪化すると聴力が低下することがあります。
黄色や緑色の鼻水が1週間以上続いて、耳をよくさわる、呼びかけへの反応が悪いなどの症状があれば要注意です。
・先天的な聴力の弱さ
稀ですが、専門的な治療が必要になります。
呼びかけに反応するかよく注意して観察して下さい。
<相談先> 小児科、耳鼻科
②舌がうまく動かせていない
・構造の問題
うまれつき舌が短かい、舌の裏の筋(舌下帯)が邪魔して動きが悪いなどの問題がある場合、発語に支障が出ます。
・筋肉が未発達、吃音(どもり)
口や舌の筋肉がしっかり育っていないと、話したくてもなかなか話せません。
また喋り始めの子はどもりがちです。
緊張すると悪化しがちなので、「しゃべるのが楽しい」と思えるようにリラックスした雰囲気作りを心がけ、子どもの話は最後までしっかり聞いてあげることが大切です。
口を大きく開ける「あはは」や舌を動かす「あかんべー」などを練習したり、大人と遊びながら(絵本の音読、歌う、ままごとのやりとりなど)自然に発語を促しましょう。
お煎餅、スルメ(減塩)、りんごなど歯ごたえのあるものを噛ませるのも効果的ですよ。
<相談先> 小児科、小児歯科、口腔外科
③環境
・言葉に触れることが少ない
反応が無いように見えても、大好きなママからの言葉は、子どもの脳にどんどん蓄積されていきます。
子どもに何を言えば良いかわからない場合は、「おはよう」「いい天気だね」など簡単な言葉で構わないので、頻繁に話しかけるようにしてみましょう。
・TV・動画に触れる時間が長い
言葉は、自分以外の相手とやり取りをするために習得するものですので、一方的に浴びせられているだけでは脳に定着しないばかりか、人と関わりたいという意欲も育ってくれません。
見る時間を決め、見ている間もなるべく「おもしろいね」「きれいだね」など会話をしながら一緒に楽しむように工夫をしましょう。
<相談先> 自治体の子育て相談窓口、家庭支援センターなど
原因と対策② 発達障害の場合
- 「あーあー」「ぶぶぶ」など意味を持たない言葉しか出ない
- 名前を呼ばれても反応がない
- 目が合いにくい、合わせようとすると避ける
- 指差しをしない、または大人の指差しに反応しない
- 身近な大人の真似や模倣をしない
- 人見知りや場所見知りが激しすぎる、または警戒心が無さすぎる
発達障害は脳機能の偏りによるもので、言葉だけでなく、生活全般において環境を整えていくことで問題の改善が望めます。
ただし症状には個人差が大きく、本人に合うプランが必要ですので、必ず専門家に相談しましょう。
<相談先> 小児科、保健師、自治体の子育て相談窓口やこども発達センターなど
★息子の場合★
年中に上がっても、全体への指示やお友達の会話についていけず、ヘルプサインも出せないため困りました。
言葉の遅れの身体的な原因は見つからず、自治体の子ども発達支援センターで発達検査を受けることに。
しかしナイーブな性格のため、検査当日は極度の緊張で、家ではよく話せる内容も検査では終始無言。
正確な判定が出来ず、発達障害に関してはグレーゾーンとの診断でした。
そして「就学までに、出来る限り言葉の発達を促し、自信をつけ、慣れない環境でも自分の気持ちや意思を伝えられるようになること」を目標に個別療育に通うことになりました。
▶︎発達障害児の特徴【1歳】-保育士&自閉症・ADD児ママの体験談-
療育の内容と現在
<療育での取り組み>
本人が大好きなウルトラマンをフル活用。緊張緩和を重視して発語練習をしました。
- 戦いごっこの中で言葉のやり取りの練習、また物語を展開させながら語彙を増やす
- 「ウルトラの父のツノは長い、タロウは短い」「コスモスは青色、レッドキングは何色?」など、遊びながら語彙を増やし言葉の理解を深める
- 挨拶や意思伝達の言葉はボディサイン(両手を重ねてポンポンと叩きながら「ちょうだい」と言うなど)と共に教え、徐々に言葉だけにしていく
- 意志を伝えられたら「教えてくれてありがとう」と返し、成功体験としてインプットしていく
家でもウルトラマン図鑑を繰り返し音読し、戦いごっこにも出来るだけ付き合い、療育に反映できるように促しました。
<現在>
療育と連動して園でもサポートしていただいたおかげで、年長になってからぐんぐん成長しました。
- 形容詞、修飾語、擬音などを含む文章で話せるようになった
- 比較、時間の前後、反対語などを話せるようになりつつある
- 好きな先生には、自分の意志や、昨日の出来事、これから楽しみなこと等を伝えられるようになった
- 「ウルトラマン博士」キャラで注目されたことが自信になり、同じ興味を持つ友だちが出来るなど、他児との関わりが増えた
同学年の子と比べるとまだ片言っぽいですが、なんとか就学時健診をクリア出来るレベルには辿り着けたかなと思っています。
▶︎発達障害傾向児は幼稚園の受け入れ拒否!?我が家の体験談【3歳・4歳】
言葉が遅いなと気になったら焦らず専門家に相談してみよう
息子の体験を経て、やはり「早期対処」の大切さを実感しました。
脳が柔らかいうちに取り組めば発達も早いですし、原因がわかればママのイライラが解消されるうえ、子どもに不必要なプレッシャーを掛けないで済みます。
まずは落ち着いてお子さんをよく観察し、気になる点は早めに専門機関に相談に行ってスッキリしてしまいましょう。
他の子よりゆっくりでも、子どもは必ず1日ずつ成長していきます。
どうか大きな気持ちで、お子さんなりの成長を見守ってあげてくださいね。