「赤ちゃんの心拍は確認できたのに出血があった」
「昨日は少量で茶色い出血だったのに朝起きたら出血量が増えてた!」
「茶色の血はおりものだから大丈夫!って医師に言われたけど不安で眠れない」
妊娠中はさまざまな体調の変化がありますが、なかでも出血は心配ですよね。
妊娠初期の、茶色のおりもののような出血は、ほとんどの場合は問題がないものだとされています。
しかし、色や量、期間によっては母体や胎児にトラブルが起こっている可能性もゼロではありません。心配するあまり、ストレスをためてしまうのは逆に良くありませんよね。
お腹の中の赤ちゃんのためにも、妊娠初期の出血の原因について知り悩みをスッキリ解決しましょう!
妊娠初期の出血は茶色なら大丈夫なの?
出血があった場合は、色や量を確認するようにしましょう。
血の色が茶色い場合は「茶おり」とよばれるもので、少量の血がおりものに混ざった状態の場合がほとんどです。
また血の色が茶色でも出血が続く場合は念の為病院へ行きましょう。
大量出血した場合は、あわてて病院を受診する方がほとんどですが、少量の場合は自己判断で受診しない人も多くなります。
大切な赤ちゃんのため、自己判断は避けるようにしてくださいね。
心配いらない場合が多いのですが、自己判断は危険ですので必ず医師に相談するようにしましょう。
茶色?赤色?出血量と色が重要!
病院へ行く場合は、医師に正確な状況を伝えるため、出血の色や量を必ずチェックするようにしましょう。
茶色で少量の出血
妊娠初期の出血でよくみられるのが茶色の血のようなものです。
茶色の出血が少量の場合は、過去の生理による血液が酸化し、おりものに混じって出た場合や、少量の出血がおりものに混じって出る場合が多いので、過剰に心配する必要はありません。
ピンクで少量の出血
ピンクの出血も少量の血がおりものに混じって出た可能性が高いため、過剰に心配する必要はありません。
赤い出血(鮮血)
赤色の血が出た場合は、量に関係なく医師の診察を受けるようにしましょう。
少量の場合も、切迫流産の可能性が考えられます。
茶色や黒い出血が続く
出血が続く場合や、量が多い場合は茶色の出血であっても重大なトラブルの可能性も。
すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
レバーのような血の塊
血の塊が出た場合は、進行流産の可能性が考えられます。
すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
妊娠初期の出血原因!考えられるのは9つある
妊娠すると子宮粘膜に充血が起こりやすくなるため、少しのことでも出血しやすくなります。
ですので、妊娠初期の出血には心配のないものも多くあります。
しかし、一方で流産や子宮外妊娠などの重大なトラブルの兆候である場合もあるので注意が必要です。
少量でも出血があった場合は、自己判断せず産婦人科で医師に相談するようにしましょう。
あまり心配がない出血
①着床出血(月経様出血)
気をつけたい時期・・・妊娠4週ころ
妊娠4週頃に、生理に似た出血が起こることがあります。
受精卵が子宮内膜に着床し、胎盤がつくられることが原因だと考えられています。
生理予定日と同じようなタイミングで起こるため、生理と勘違いする人も多いようですが着床出血の場合は2〜3日で治ることがほとんどです。
②絨毛膜下出血
気をつけたい時期・・・妊娠5週〜20週ころ
切迫流産のひとつで、子宮を包む絨毛膜という膜の外側に血液がたまっている状態です。
出血やお腹のはりがある場合と、自覚症状がない場合があります。
出血や下腹部の痛みや張りがある場合は受診するようにしましょう。
切迫流産と聞いてあせる方もいるかもしれませんが、正常な経過をたどっていれば、胎盤が完成される妊娠4〜5ヶ月には症状が治るので赤ちゃんへの影響はありませんし、特に治療もしません。
しかし自分一人の体ではありません。出来るだけ安静に過ごすようにしてくださいね。
③子宮腟部びらん
気をつけたい時期・・・妊娠4週〜15週ころ
膣の奥深く、子宮の入り口がただれている状態です。
妊婦さんだけでなく、若い女性の不正出血の原因として多くみられる症状です。
お腹の痛みや張りなどの症状はなく、少量の出血やおりものに血が混じる(茶おり)ことがあります。
生理的なものなので心配ありませんが、自己判断できないので受診するようにしましょう。
④子宮頸管ポリープ
気をつけたい時期・・・妊娠4週〜20週ころ
子宮頚部に良性のポリープができる症状で、子宮頚部の粘膜の細胞が炎症などの原因で増殖し、子宮の出口に飛び出したもです。
ポリープから出血することがありますが、痛みがなくほぼ無症状。
少量の場合は経過観察のみの場合もありますが、ポリープが炎症を起こし早産や流産の原因になる事もあります。
ポリープの状態によっては、妊娠中でも切除する場合も。
自分で判断するのは難しいため、必ず医師の指示に従うようにしましょう。
トラブルが考えられる出血
⑤胞状奇胎
気をつけたい時期・・・妊娠4週〜11週ころ
胎盤のもととなる絨毛が病的に増殖し、ぶどうのような水泡状の粒で子宮内を満たし、赤ちゃんを吸収してしまう病気です。
受精卵に問題がある事が多く、500人に1人ぐらいの割合で発症します。
つわりの症状が強いのが特徴で、茶色のおりものや少量の出血が続くことがあります。
⑥子宮外妊娠
受精卵が子宮の中以外の場所に着床してしまうことで、その98%以上が卵管に着床するケースです。
妊娠検査薬が陽性反応でつわりの症状もあるのに、子宮内に赤ちゃんがみえないことで発覚することがほとんどです。
卵管から出血した血液がおなかの中にたまり、下腹部痛と少量の出血がみられる事もあります。
しかし、そのままほうっておくと、卵管が破裂し命にかかわります。
残念ながら赤ちゃんはあきらめることになりますが、赤ちゃんだけでなくママの命も危険な状態になるため、着床した部分を切除する手術を受けることになります。
⑦子宮頸がん
気をつけたい時期・・・妊娠4週〜20週ころ
子宮頸部にできるがんで、自覚症状がない事も多いのですが、不正出血がみられる頃には進行している場合も。
妊娠初期の検査で発見された場合は、前がん状態(がんに向かっていく状態)か初期の事も多く、細胞診を行いながら経過観察を続けて出産に望む事も。
症状が進行していて命にかかわるケースの場合は、早めに帝王切開で赤ちゃんを出産しがんの手術をする場合もあります。
⑧早期流産
気をつけたい時期・・・妊娠4週〜11週ころ
早期流産のほとんどは胎児側の理由で起こります。
最も多いのは、受精卵の染色体異常といわれ、たまたま異常を持つ精子や卵子が受精してしまったことで発生します。
一般的に出血や下腹部の痛みや張りなどの症状があります。
⑨切迫早期流産
気をつけたい時期・・・妊娠4週〜11週ころ
切迫早期流産の主な症状は「出血」「おなかの張り・痛み」の2つです。
切迫流産とは、妊娠22週未満に出血や下腹部痛といった症状があり、流産のリスクがある状態のことで、妊娠が継続するケースも多くあります。
その中で、12週未満のものを「切迫早期流産」とよんでいます。
お腹の中の赤ちゃんから「無理をしないで安静にして!」というサインかもしれません。
かかりつけの産婦人科で診察を受け注意を守るようにしてくださいね。
妊娠中に出血して不安になったママの体験談
東京都:花子(28歳・第一子)
妊娠5週目に茶色の出血がありました。量は生理初日くらいで、腹痛などの症状はありませんでした。
妊娠超初期の鮮血や大量出血でなければ心配ないとネットの記事で知りましたが、念のため病院を受診しました。
診察で子宮からの出血だったことがわかり、止血用の薬が処方され1週間後に再度受診することに。
出血が止まるまでは安静にするようにいわれましたが、出血は1日で治りました。
その後順調に過ごし、12週目前で再び出血。
前回よりも量は少なく、ショーツにうっすらと茶色い色がついた程度でした。
よく「茶おり」という言葉を聞きますが、おりものというよりは出血という印象でしたが、その後特にトラブルもなく無事出産することができました。
少量の出血であれば慌てることはないと思いますが、自己判断せず病院に連絡し医師の指示を仰ぐことで不安が解消されるのでおすすめです。
島根県:百恵(32歳・第一子)
妊娠発覚後に茶色いおりもののような出血が2〜3日続きました。
少量だったため、ネットで見た「妊娠初期の茶色の出血は問題ない」「少量なら大丈夫」というのを鵜呑みにして病院を受診することはありませんでした。
出血は3日で治り、1週間後の診察時に出血があったことを報告しましたが、「症状が軽くても必ず電話で確認するように」と主治医に怒られてしまいました。
その時の出血は問題ないものだったのでよかったのですが、今後は自己判断せずまずは病院に連絡することにしました。
大阪府:さち(38歳・第一子)
妊娠中期に茶オリが気になったので病院で調べたらポリープがありました。
出産まで様子を見ることになったのですが、臨月になったときに内診で輸血レベルの大量出血!
出産時も血が止まらず不安だったけど、無事に出産し子供は元気な2歳になりました。
産後もポリープはそのまま温存しているので、2人目の妊娠には消極的です。
東京都:さちこ(26歳・第一子)
妊娠初期に2回。安定期に入ってからも3回ほど少量の出血(色は茶褐色)があってすごく心配しました。後期に入ってからも何かとトラブル続きで妊娠中はずっと不安でした。毎回エコーの時は、赤ちゃんの心臓が動いているのかと私の方が心臓バクバクでした(笑)それでも無事に39週で出産し、大きな病気をすることもなく現在スクスク成長中です。
今回のアンケートでは、出血しても無事に出産した人が多い印象でした。
妊娠中の出血で不安な思いをした女性が多くいることがわかりました。
残念ながら「流産してしまった」という体験談もありましたが、大量出血や真っ赤な血が出たという方が多かったですね。
いずれにせよ、心配な出血があった場合は医師の診断をあおぐようにしましょう。
出血以外に注意したい症状
妊娠初期は、胎盤が完成していないため流産しやすく体調も不安定な時です。
安定期に入るまでは出血以外にも気をつけたい症状がいくつかあります。
①腹痛
妊娠するとはホルモンバランスの変化や、つわりによる食生活の変化によって便秘や下痢になりやすく腹痛が起きやすくなります。
しかし、腹痛には子宮外妊娠や切迫流産など重大なトラブルの可能性も。
腹痛が続く場合は早めに病院を受診するようにしましょう。
②つわりが急になくなる
つわりは妊娠4〜6週頃から始まり、12〜16週頃まで続くのが一般的です。
妊娠中に突然つわりがなくなりると、流産したのではないかと不安に思う方もいるかもしれません。
つわりは個人差が激しいため「妊娠初期につわりが消える=流産」と過度に心配する必要はありませんが、同時に不正出血や下腹部痛がある場合は注意が必要です。
③貧血
妊娠初期はつわりの影響で思うように食事が進まず、貧血になる妊婦さんが少なくありません。
また、妊娠中は赤ちゃんへ鉄分を送ることが優先されるため貧血になりやすいので注意が必要です。
④高血圧
妊婦健診では必ず血圧の測定がありますが、妊娠すると血圧が高くなりやすく妊娠高血圧症候群になる可能性があります。
赤ちゃんだけでなく、ママの体にも影響を及ぼすため食生活や生活リズムを整えるようにしましょう。
妊娠初期の出血は焦らず状況を確認!ただし自己判断は危険です
妊娠初期にみられる出血について紹介しましたが、少量の場合は過度に心配する必要はありません。
しかし、自己判断は危険なため出血がみられたら、早めに産院に連絡し医師の指示を仰ぎましょう。
突然の出血であせる方もいると思いますが、先生に正確な症状を説明できるように
- 妊娠週数
- お腹の張りの有無
- 出血の色や量
をメモしておくと慌てなくてすみますよ。